2015年11月 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

西本願寺伝道院

           
0019:西本願寺伝道院 新メイン

0019 - 西本願寺伝道院(旧真宗信徒生命保険本社屋)
竣工:1912年
設計:伊東忠太
住所:京都府京都市下京区玉本町196

皆様どうも. 今回は前回の「龍谷ミュージアム」の油小路側入り口からすぐの場所にある西本願寺伝道院の紹介です. 仏壇屋などが並ぶ西本願寺東門手前の門前町通りを歩いてすぐ、和風の町並みの向こう側に洋風モダンな建物がドーンと現れます. 『伝道院』という名から、仏事を執り行うために建てられたようにみえる建物ですが、元々は西本願寺を大株主として設立した『真宗信徒生命保険』という生命保険会社の本社屋です. 重要文化財・竣工1912年の100年建築で、2011年に竹中工務店によって改修されています.

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龍谷ミュージアム

           
0018:龍谷ミュージアム メイン

0018 - 龍谷ミュージアム
竣工:2011年
設計:日建設計
住所:京都府京都市下京区西中筋通正面下る丸屋町117

さてさて今回も京都特集、前回の「京都国立博物館 平成知新館」から西に歩いて約20分ほど、浄土真宗本願寺派の本山「西本願寺」から堀川通りを挟んで向かいにあります龍谷ミュージアムです. この施設は関西圏の人ならご存知であろう、龍谷大学が創立370年記念の一環として開設した仏教専門の総合博物館で、2011年に開館しました. なぜ龍谷大かというと、西本願寺の山号は『龍谷山』、そして大学は西本願寺境内の学寮をルーツとしており、昔から西本願寺と縁の深い宗門大学なんですね.

設計は日建設計. 山梨知彦(やまなし ともひこ)氏や羽鳥達也(はとり たつや)氏、2011年に逝去された林昌二(はやし しょうじ)氏など著名な建築家が所属し、建築関連の賞を幾度も受賞する質の高い建築を生み出し続ける日本をリードする組織事務所です. ミュージアムを担当したのは大阪オフィスの赤木隆(あかぎ たかし)氏と下坂浩和(しもさか ひろかず)氏で、特に赤木氏は 「龍谷大学 大宮図書館 [2006年]」や「大阪府立中央図書館 [1996年]」などの図書館建築で数々の賞を受賞しています.

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京都国立博物館 平成知新館

           
0017:京都国立博物館 メイン

0017 - 京都国立博物館 平成知新館
竣工:2013年
設計:谷口吉生
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
賞歴:2016年BCS賞

皆様こんにちは. 唐突ですが私、京都に行って参りました . と言いますのも、大学でお世話になっている教授が主催する建築ツアーに同行することになり、景観条例の厳しいイメージのある京都で現代デザインを踏襲した昨今の建築を訪問して参りました.

この散策で訪問した1つが京都国立博物館です. この博物館のお目当ては、近年竣工した新館と全国で話題となっている『琳派』の鑑賞です. 実はこの博物館には2度訪問していたのですが、どちらとも展示準備による休館期間というハズレを引き続けていましたが、今回ようやく訪問できました. それでは早速紹介していきましょう.

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六甲枝垂れ

           
0016:六甲枝垂れ メイン

0016 - 六甲枝垂れ
竣工:2010年
設計:三分一博志
住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町五介山1877-9

今回は冬期限定で、六甲山の気候が生み出す幻想的な自然現象が見られるかもしれない建築のご紹介です. その建築は前回の「六甲の教会」もある兵庫県六甲山上、電車 → バス → ケーブルカー → 山上バスと何度も交通機関を乗り継いだ先にある『六甲ガーデンテラス』という複合施設内にあります. 網状のドームの中に山形の煙突のようなものがドーンと空に向かって伸びるこの建物は六甲枝垂れと呼ばれる展望台です.

元々この場所にあった十国展望台が老朽化、2002年に閉鎖されたため、その跡地に阪神電鉄系の子会社が事業主となって建設された『自然体感展望台』です. 展望台は有料で大人300円、六甲ミーツアートの観覧券を購入していれば、その券で入館できます. 建設から数年経たずして六甲山の一大観光スポットとなっているこの展望台を訪問してきました.

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アイランドシティ中央公園「ぐりんぐりん」

           
0015:ぐりんぐりん メイン

0015 - アイランドシティ中央公園中核施設「ぐりんぐりん」
竣工:2005年
設計:伊藤豊雄
住所:福岡県福岡市東区香椎照葉4アイランドシティ中央公園

前回から佐賀・長崎と九州建築を紹介していますが、今回は更にもう一つ、九州地方最大の都市 福岡県福岡市の中心部から少し北へ、博多湾に浮かぶ人工島アイランドシティの中央公園内にあります. これは建物なのか丘なのか、一枚布を捻らせたような形をしているその建物の名はぐりんぐりんと、これまた珍妙なネーミングとインパクト満載の建物です. (初めて建築雑誌で見たときは、目が点になったほど強烈なものでした…)

外観からどのような施設かを検討するのは非常に難しく思われますが、これは福岡市が管理する『花と緑をテーマにした体験学習施設』です. こう述べるとややこしいのですが、要するに植物園と考えてもらって差し支えないです. 館内には熱帯魚や亜熱帯の気候で育つ植物が植えられており、大人100円で館内を自由に見学できます.
0015:ぐりんぐりん 外観①

0015:ぐりんぐりん 外観②

それでは早速その場所へ、電車を利用する場合はJR・西鉄香椎(かしい)駅ですが、そこから徒歩だとかなり歩くので、疲れやすい人は西鉄バスがベターです. この建物の特徴は、鉄筋コンクリート構成された自由局面の大屋根でしょう. これはシェル構造とも呼ばれており、最大スパン約190mの大空間を厚さ40cmのコンクリートの『布』で覆います. 公園側に向けてはは子供が登れそうなほどに緩やかな勾配になっており、本来の公園の地面と施設の丘がシームレス(連続しているよう)に見えます.

設計したのは2013年に建築界のノーベル賞でもあるプリツカー賞を受賞した建築家 伊藤豊雄(いとう とよお)氏です. モダニズム建築期以後の建築界をリードする『野武士』と呼ばれる建築家世代の筆頭として謳われた建築家でもあります. 伊藤氏の建築というのはビルディングタイプなれど、曲線によるユニークなデザインを取り入れた挑戦的な建築を数多く手掛けるのが特徴であり魅力で、一例ですと鉄骨のチューブを垂直方向に挿入した「せんだいメディアテーク[2001年]」や、この施設同様にシェルを内包した「台中メトロポリタンオペラハウス[2014年]」などがあります.
0015:ぐりんぐりん 内観①

0015:ぐりんぐりん 内観②

それではいざ内部へ. 建物内にいたのは私達訪問メンバーだけで、全体的に閑散としてました. アクセスの悪さが原因でしょうか…賑やかさはありません. 空間のスペースとしては北、中央、南と3つの大型スペースを歩行用のデッキでスパイラル状に巡回するという動線計画になっています. 各スペースの天井には採光のできる大型のガラスドームが設けられ、それは自然換気の機能を備えた環境ユニットにもなっているようです.
0015:ぐりんぐりん 屋外の様子

0015:ぐりんぐりん 展示模型

デッキを伝って屋根上へ登ると、屋上緑化されたシェルの屋根を間近に見ることができ、中央公園全体を見渡すことができます. 屋根上からは「シーマークビル」(設計:北山孝二郎)や「アイランドタワースカイクラブ」(設計:竹中工務店+司設計)、「織物のフォリー」(設計:松岡恭子)を見ることができます. 一通り巡回した後のフロアには、模型が展示と図面がされていました. このアングルから見ると曲線のうねり具合や色合いがとても奇麗で美しく見えますね.

これは訪問後に調べたことですが、どうもこの地区の開発は上手くいっていないという実情で、人工島という環境破壊問題や市のPR不足もあり、ぐりんぐりん以外に観光スポットがなく、この伊藤建築が一人歩きしている状況にあるということです. 屋上から周辺を見渡しましたが、この公園以外は殆ど集合住宅やタワーマンションで、利用するのも島民だけではないでしょうか. これでは外部の客はなかなか来ないでしょう…

とはいいつつも、RCシェルを実践的に扱うという意味で挑戦的なものであり、これが後の台中のオペラハウスへの応用に繋がると推測すれば、伊藤氏にとっては避けては通れない建築であるという風に私は思えます.そんな感じで今回はここまで〜

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MATŌ

Author:MATŌ
『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介するブログです. 西日本多めです. 今までにご紹介した建築記事の一覧を見たい方はこちらへ→「全国建築マップ

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・『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました.

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