龍谷ミュージアム - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

龍谷ミュージアム

           
0018:龍谷ミュージアム メイン

0018 - 龍谷ミュージアム
竣工:2011年
設計:日建設計
住所:京都府京都市下京区西中筋通正面下る丸屋町117

さてさて今回も京都特集、前回の「京都国立博物館 平成知新館」から西に歩いて約20分ほど、浄土真宗本願寺派の本山「西本願寺」から堀川通りを挟んで向かいにあります龍谷ミュージアムです. この施設は関西圏の人ならご存知であろう、龍谷大学が創立370年記念の一環として開設した仏教専門の総合博物館で、2011年に開館しました. なぜ龍谷大かというと、西本願寺の山号は『龍谷山』、そして大学は西本願寺境内の学寮をルーツとしており、昔から西本願寺と縁の深い宗門大学なんですね.

設計は日建設計. 山梨知彦(やまなし ともひこ)氏や羽鳥達也(はとり たつや)氏、2011年に逝去された林昌二(はやし しょうじ)氏など著名な建築家が所属し、建築関連の賞を幾度も受賞する質の高い建築を生み出し続ける日本をリードする組織事務所です. ミュージアムを担当したのは大阪オフィスの赤木隆(あかぎ たかし)氏と下坂浩和(しもさか ひろかず)氏で、特に赤木氏は 「龍谷大学 大宮図書館 [2006年]」や「大阪府立中央図書館 [1996年]」などの図書館建築で数々の賞を受賞しています.
0018:龍谷ミュージアム セラミックルーバー

0018:龍谷ミュージアム 堀川通り入口

0018:龍谷ミュージアム 油小路通り入口

堀川通り側にビッシリと張られているのは、木材トーンを帯びる約4,000本ものセラミックルーバーです. ルーバーの垂直駆体も微妙に波打っており、まるで簾(すだれ)のようです. そのままだと巨大な圧迫感のあるコンクリートの外壁に、この簾を全面に取り付けることで、京都の和に調和した落ち着いた外観を演出させている点に感心させられます. 角材の向きは駆体に水平か丁度45度ズラしているかの2パターンで構成されており、波打つ駆体も含めて一本一本のルーバーの光反射が微妙に異なるところも良いところです.

地域に開かれたミュージアムということで1階部分は基本ガラス張り、20mほど開いたピロティには目立った柱は一切ない非常にオープンなピロティとなっています. 構造がよく解っていませんが、これほどの大架構ってどうしたらできるのでしょうね. 堀川通りから内部を見ると地階ロビーへのエスカレーター、モミジの植えられた中庭、そして裏手の油小路通りに通じる細道があり、京町家の通り庭のようなアプローチが形成されていました. 油小路側の入り口は庇のついた小型門と、ガラス張り大架構の堀川側とは対称的にみえます.
0018:龍谷ミュージアム 中庭①

0018:龍谷ミュージアム 中庭②

先程も少し述べましたが、実はこのミュージアムのロビーは地階にあり、中庭もサンクンガーデンになっています. これは京都市の景観規制で最高高さが15m以下に制限されているため、地下にエントランスを確保させることで展示室のボリュームを確保させた結果だと考えます. 中庭の一部だけ暗色表面の壁が存在し、階数が上がる毎に壁面が迫り出しています. これはエレベーターホールの外壁で、ミュージアムの北東にある「西本願寺伝道院」が見れるように壁が迫り出し、小窓がポコポコと開いた外観になっていました. 余談ですが、階段の手摺をよーく見ると、RC造に使用する異形鉄筋を一部縦カットしてつくられていました.
0018:龍谷ミュージアム ロビー

0018:龍谷ミュージアム エレベーター壁面

0018:龍谷ミュージアム エレベーターホール

展示室は撮影禁止だったので、ロビーとエレベーター部分の内観を掲載しています. 2層吹抜けのロビーは天井の木材ルーバー、壁面の石垣による自然素材が落ち着いた印象のある空間を作り出していました. しかしなぜ石垣なのか、その設計意図は読み取ることができませんでした. コア部分はエレベーターの周りを階段で昇るという構成で、エレベーターの壁面には和紙を挟み込んだガラスをはめ込み、地階からのアッパーライトで照らすことで、光の柱のような美しい壁面に仕上がっていたのが印象的でした.

仏教を取り扱うということからか、神秘さ・静寂さを醸し出す黒色の壁面を基調としながらも、美しい光の柱などで明かりを照らす館内には、暗くも神秘的な怪しさのある展示空間に感じました. 西本願寺を観光の際にはぜひ、それでは今回はここまで〜


【追記 2017.1.15】
2016年末の京都探訪で近くへ寄ったこともあり、快晴時のミュージアムの様子を撮影してきました. 建物は休館中だったため、撮影は外壁のみです. 堀川通から遠目に覗いても、グネグネと畝る簾のファサード(写真1枚目)は特に目立っています. 曇り空だった時と比べると、鮮やかな木の色合いが出ているのがナイスでした.
0018:龍谷ミュージアム 晴での来訪①

0018:龍谷ミュージアム 晴での来訪②

0018:龍谷ミュージアム 晴での来訪③

0018:龍谷ミュージアム 晴での来訪④

0018:龍谷ミュージアム 晴での来訪⑤




関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

非公開コメント

プロフィール

MATŌ

Author:MATŌ
『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介するブログです. 西日本多めです. 今までにご紹介した建築記事の一覧を見たい方はこちらへ→「全国建築マップ

記事掲載や掲載写真等のご希望に関しては、こちらの「メールフォーム」からご連絡お願いします.
記事内の誤字・脱字等がありました場合は、コメント欄でご意見いただけると助かります.


◆ 関連サイト ◆

インフォメーション

パソコン不良により、2017年11月の更新が遅れております. 大変申し訳ございません.

「Archi'records@walking」を閉鎖しました、今後当機能は「Archi'records@instagram」に引き継がれます. よろしくお願い申し上げます.

● 写真健全化に伴い、以下の記事の公開を停止します. 健全化が完了次第、公開を再開します.
・「金沢海みらい図書館」
・「福井県立図書館・文書館」

メディア協力

・『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました.

FC2アクセスカウンター

スポンサーリンク

twitter

facebook

スポンサーリンク