生駒ビルヂング - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

生駒ビルヂング

           
0181:生駒ビルヂング メイン

0181 - 生駒ビルヂング
竣工:1930年
設計:宗兵蔵 / 宗建築事務所
住所:大阪府大阪市中央区平野町2-2-12

皆様どうも. 最近のニュースですが、関門海峡の両岸に建つ菊竹清訓氏設計の「めかりPA(上り線のみ)」「壇ノ浦PA(下り線のみ)」が両方とも2016年11月末で閉鎖し、建て替えられるそうです. 「出雲大社庁の舎」の解体もショックでしたが、菊竹建築がポンポンと消えていく感じで残念です.

さて今回の生きた建築特集でご紹介するのは、堺筋と平野町通の交差点付近に建つ生駒ビルヂングです. ようやく生きた建築特集も、船場の近代建築エリアに突入していきます. それでは早速まいりましょう.
0181:生駒ビルヂング 堺筋の南側から

0181:生駒ビルヂング 外観ファサード①

0181:生駒ビルヂング 外観ファサード②

0181:生駒ビルヂング 外観ファサード③

0181:生駒ビルヂング 外観ファサード④

ビルが建っているのは、かつて大大阪のメインストリートであった堺筋と平野町通が交わる交差点の角地. 両側を高いビルに挟まれながらも、茶褐色のスクラッチタイルで彩られたこのビルだけは、レトロな風情を今に残し続けています. このビルを本店とする『生駒時計店』は1870年創業の老舗時計店. 創業当時は御堂筋よりも西側にありましたが、拡張工事により現在の場所に移転. 1930年にこの本社ビルを建設し、大阪大空襲の被害を免れながら現在まで残っています.

茶褐色の目立ちやすい外観は、当時流行したアール・デコ様式を取り入れたもの. 交差点側に大きくすみ切りされた外壁の中央には、3階から屋上にかけて縦に配された見事な彫刻版が並んでいます(写真2・4枚目). 最上部に取り付けられた時計店の商標である『将棋の駒に「生」』(写真2枚目)は、近年復元されたもの. 上の時計塔(写真2枚目)は時計店を示すアイコンでもあり、当時この地区のランドマーク的建物だったことも示しています. 鷲の彫刻も見応えありです.
0181:生駒ビルヂング イケフェス当日の入口

0181:生駒ビルヂング 入口扉のデザイン

0181:生駒ビルヂング 入口脇の照明オブジェ

0181:生駒ビルヂング 1階の階段①

0181:生駒ビルヂング 1階の階段②

0181:生駒ビルヂング 1階の天井デザイン

0181:生駒ビルヂング 展示品や使用されていないEV扉

0181:生駒ビルヂング エレベーターの表示計

ここからは2016年のイケフェスで特別解放された1階と地下フロアの内観をご紹介. 入口のガラス(写真2枚目)や、その脇にある照明(写真3枚目)にもアールデコの幾何的なデザインが施されています. 正面の階段(写真4・5枚目)は、推定3億年前のイタリア産大理石をふんだんに使用した豪盛なもの. 1階奥にあるエレベーター(写真7枚目)は昔のものを完全保存しており、大理石を用いた回転タイプの表示盤(写真8枚目)が今なおも残ります. このレトロ感がすごくいいですね〜.

設計を手掛けたのは、大正〜昭和初期にかけて関西建築界をリードした宗兵蔵(そう ひょうぞう)氏が率いる『宗建築事務所』です. 東京帝大の造家学科を卒業後は宮内庁・海軍省の技師を経て1913年に建築事務所を設立し、「莫大小会館」や「難波橋」など作品を残します. 平面設計は宗氏ですが、その後は大倉三郎氏(後の京都工芸繊維大学学長)などの当時の若手メンバーが担当して完成. 2002年の大規模改修を経て、現在はテナントオフィスとして活用されています.
0181:生駒ビルヂング 地下フロアへの階段①

0181:生駒ビルヂング 地下フロアへの階段②

0181:生駒ビルヂング 地下フロアの廊下

0181:生駒ビルヂング 地下フロア

0181:生駒ビルヂング 看板をテーブルに

こちらからは階段(写真1・2枚目)を降りて地下フロアへ. 階段は直角に曲がるのではなく、グネッと曲がりながら降りる感じが新鮮. 地下フロアは昔はボイラー室、電気設備室、さらに一時期には社員食堂としても利用されていたそうです. 天井の高い白と肌色の明るめの2色が目立つ廊下(写真3枚目)ですが、隠れた洞窟のような閉鎖感があります. 写真4枚目は地下サロンの様子で、昔の看板を天板にしたテーブル(写真5枚目)がドンと中央に置かれているのには驚きました.

今回の紹介はこのへんで. 船場の近代建築ブームの火付け役の一つにもなったレトロビルですが、本格的に見学ができたのは今年が初めてだったので、この特別見学には大満足でした. もう竣工から80年が経ちますが、色あせることなく堺筋の一風景として残ってほしいものです. では今回はここまで〜


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