日本銀行大阪支店 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

日本銀行大阪支店

           
0198:日本銀行大阪支店 メイン

0198 - 日本銀行大阪支店
竣工:1903年(旧館)/ 1982年(新館)
設計:辰野金吾(旧館)/ 日建設計(新館)
住所:大阪府大阪市北区中之島2-1-45

皆様どうも. ついに11月も最終日となり、11月中旬から展開してきた大阪の生きた建築特集もラスト2つです. 本日1件目の建物は、大阪の大動脈である御堂筋沿いに建つ中之島の近代建築 日本銀行大阪支店です. 御堂筋に面する古典的デザインが特徴的な旧館は、「JR東京駅舎」「大阪市中央公会堂」を設計したことでも知られる辰野金吾氏が手がけたことでも有名で、白帯赤煉瓦の辰野式でない石張りのスタイルは「日本銀行本店」と並んで数少ないものです.
0198:日本銀行大阪支店 土佐堀側の南岸より

0198:日本銀行大阪支店 旧館正面外観①

0198:日本銀行大阪支店 旧館正面外観②

0198:日本銀行大阪支店 旧館正面外観③

0198:日本銀行大阪支店 旧館正面外観④

0198:日本銀行大阪支店 旧館正面外観を市役所側から

写真1枚目は淀屋橋より銀行の南側全景を撮影したものです. ドーム屋根が乗っかる小振りの建物が辰野氏設計の旧館で、その後ろ側に広く建っている石張りの建物が1982年に完成した新館です. 大阪の日銀というと旧館ばかりが目立っていますが、建物全体の規模でみるとかなり大きいです. しかし新館も高層ビルほどは高くないため、土佐堀川と広々した大空によって非常にゆったりとした佇まいをみせてくれています.

写真2枚目からは旧館正面の様子を. 写真はイケフェス当日のものですが、市役所からのアングルが欠けてしまったので、それに該当する6枚目だけは別日に撮影したものを掲載しています. 建物は中央と左右に4本の石柱が並ぶ、シンメトリーの美しいネオ・バロック様式の外観. 銀行建築というと、列柱を大きく表現した格式のある権威的なものを想像しがちですが、玉ねぎ型のドームのユーモアな造形もあって、それらとは逆に市民に親しまれやすいデザインに感じます.

1896年に完成した日銀本店に引き続いて設計を担当することとなった大阪支店は、辰野氏が関西で初めて手がける作品となります. モチーフとなったのは当時ベルギーに存在した国立銀行. 辰野氏が結成した設計チームには、東京事務所のパートナーとなる葛西萬司氏、大阪事務所のパートナーとなる片岡安氏、そしてこの3年後に「日本銀行京都支店(現京都文化博物館別館)」を共に手がけることとなる弟子・長野宇平治氏といったビッグネームが名を連ねます.
0198:日本銀行大阪支店 旧館側部外観①

0198:日本銀行大阪支店 旧館側部外観②

0198:日本銀行大阪支店 旧館側部外観③

0198:日本銀行大阪支店 旧館側部外観④

こちらは旧館の南側外観の様子. 建物は全体的にシンメトリーなため、北側の外観も同じ仕様になっています. 赤煉瓦の鮮やかな辰野式だと、どうしても色の要素に目がいってしまいがちですが、落ち着きのあるグレーの花崗岩に施された新古典様式の装飾をじっくりと見学できるのがいいところ. 奥に見えるバルコニー(写真3・4枚目)にも細かい装飾が見られますが、個人的にはその真上に設けられたブロンズ青銅のペディメントにグッときます.

築80年に差し掛かる1980年頃には、新設備導入による新館の建設が日建設計の手で行われることとなりましたが、同時に老朽化と地盤沈下の憂き目にあっていた旧館の改築工事も同時に実施することとなります. その結果、西側を除く三面の外壁とブロンズのドーム屋根が保存. 内部は大きく変わりながらも、旧貴賓室や大階段といった主要部分は復元・保存され、当時のデザインを今に残し伝えています.
0198:日本銀行大阪支店 新館の様子①

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子②

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子③

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子④

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子⑤

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子⑥

0198:日本銀行大阪支店 新館の様子⑦

こちらでは、日建設計が1832年に完成させた新館部分の外観をまとめて掲載. 辰野氏の旧館の雰囲気にあわせて外壁を花崗岩のグレーで統一しており、遠くからみると直方体の異なるボリュームが集まってできた、まさに石の要塞のようなデザインが特徴です. 一部の壁面の上には丸瓦や日本的な屋根がつけられた小窓(写真2枚目)、片持ち部分の下側についている横架材の装飾(写真3枚目)など、見ていておっ!と感じさせる現代的な意匠も見事でした.

イケフェスでしか内部見学ができないと思っていたのですが、どうやら公式サイトをみると、事前予約制ではありますが無料見学ができるようです(見学ページリンク). 「大阪市中央公会堂」や「大阪府立中之島図書館」と並んで中之島のメインエリアを代表する石張りの辰野金吾建築へ、中之島に来たら外観だけでもぜひ. では今回はここまで〜


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