和歌山県庁舎 本館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

和歌山県庁舎 本館

           
0201:和歌山県本庁舎 メイン

0201 - 和歌山県庁舎 本館
竣工:1938年
設計:増田八郎
住所:和歌山県和歌山市小松原通1-1

皆様どうも. 12月も中盤に差し掛かり、じわじわと年末ムードを感じてきた最近です. 個人的には冬至が近いので、陽の当たる建築写真を撮る時間が短くなるのがもどかしく感じています. そんな12月は、京阪神地区以外の近畿地方+福井県各所の建築を色々とご紹介. 最近は1つの都道府県を集中的にやるパターンが多かったので、数県にまたがる飛び飛びの紹介は久々な気がします. 初旬は色々ダウン気味で投稿できていませんでしたが、今月もよろしくお願いします.

一県目は紀伊半島の南西部を占める和歌山県. 紀伊徳川家の居城であった『和歌山城』の座する和歌山市中心部から、戦前から今なおも現役の県庁舎建築 和歌山県庁舎本館(本庁舎)をご紹介していきます. 日中戦争開戦から間もない昭和13年(1938年)に竣工し、現役の本庁舎としても数少ないものとなる本庁舎. 2013年には「愛知県庁舎」、「愛媛県庁舎」、「静岡県庁舎」に次いで、現役庁舎として国内4番目の国指定登録有権文化財に指定されています.
0201:和歌山県本庁舎 庁舎前通り

0201:和歌山県本庁舎 正面から①

0201:和歌山県本庁舎 正面から②

0201:和歌山県本庁舎 正面から③

0201:和歌山県本庁舎 アーチ窓と上の装飾

本庁舎があるのは『和歌山城』の建つ和歌山公園から少し南西に歩いたところ. 庁舎前を走る県道(写真1枚目)を東へ少し歩けば、黒川紀章氏の「和歌山県立近代美術館」等が建つ文化ゾーンにも近い場所にあります. 外壁に張られた淡黄色の鮮やかなテラコッタタイルは、県特産であるみかんの色合いを連想させるユニークなもの. 両翼部は長さ40m以上ほどあるドッシリとしたボリュームながら、この色合いによって親しみやすい雰囲気になっています.

現在の本庁舎は、明治維新以後の庁舎から数えて3代目. 設計を担当したのは和歌山県技師である増田八郎(ますだ はちろう)氏. 和歌山県技師以前は富山県の臨時建築課長として、大熊喜邦氏監修の「富山県庁舎」の実施設計に携わっていました. その他にも監修には「東京大学安田講堂」等の東大建築を手掛けた内田祥三氏、構造設計には「代々木国立体育館」を手掛けた坪井善勝氏といったビッグネームが名を連ねます.

建物はRC造4階建てで、4階部分はアーチとなって横に長く連続しています. 中央には三角形の柱頭をした付け柱が6本並び、柱間には花がモチーフとなったような装飾レリーフ(写真4枚目)が飾られています. テラコッタの装飾は、正面キャノピー(写真4枚目 下)や屋上部の軒(写真5枚目 上)と要所要所にとどめてスッキリと魅せているのもポイントです.
0201:和歌山県本庁舎 外観を横から

0201:和歌山県本庁舎 正面階段のデザイン

0201:和歌山県本庁舎 正面玄関

0201:和歌山県本庁舎 看板等

0201:和歌山県本庁舎 窓のデザイン

敷地内に入って正面玄関の様子を撮影してものを掲載しています. 当日は休日だったため、ご覧の通りシャッターが下りています. ここまで近づくと、一世代前の庁舎建築らしいビシッとした堅牢な雰囲気が色濃くでてきています. しかし一方で、正面階段の脇石のデザイン(写真2枚目)やブロンズの窓枠の装飾(写真5枚目)といったデザインも. この正面から内部空間にどう連続しているのか気になってはいますが、中には入れなかったためこの部分は今度来た時までお預けです.

1945年7月の和歌山空襲によって市内中心部がほぼ壊滅してしまったため、この本庁舎は中心部に残る近代建築として現存するわずかなものとなっています. 戦前の和歌山市の建築文化を残す生き証人として、文化財となりながらも今後も残ることを期待するばかりです. 美術館や和歌山城からも近いので、和歌山観光の際にフラッと寄れる場所に建っています. ぜひお立ち寄りください. ではでは今回はここまで〜


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