鳴門市文化会館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

鳴門市文化会館

           
0262:鳴門市文化会館 メイン

0262 - 鳴門市文化会館
竣工:1982年
設計:増田友也(京都大学増田研究室)
住所:徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜24−7

皆様どうも. あっという間に8月終盤となり、2017年の夏が終わりを迎えようとしております. 皆様は各自思い思いの夏を満喫されましたでしょうか. さて、8月の徳島県特集も最終回. 前回は鳴門市にて数多くのモダニズム建築を残した増田友也氏の代表作のひとつ「鳴門市庁舎・市民会館」の探訪記をお送りしましたが、今回はそれらと並ぶもう一つの代表作 鳴門市文化会館をお送りして、徳島県特集のフィニッシュとしたく思います.
0262:鳴門市文化会館 撫養川から①

0262:鳴門市文化会館 撫養川から②

0262:鳴門市文化会館 南側外観

0262:鳴門市文化会館 東側外観①

0262:鳴門市文化会館 東側外観②

0262:鳴門市文化会館 東側外観③

文化会館へは前回の市庁舎・市民会館から南東へ3〜400mほどと近い場所に建っており、当日もそこから徒歩5分ほどで到着. 文化会館のすぐ東には撫養川(むやがわ)が流れており、今回は会館のすぐ南東にかかる橋(写真1枚目)からスタートです. 遠くからもハッキリわかるコンクリートモダニズムの佇まい. 垂直に長いルーバーが、建物の端から端まで延々と続いています. 牛の角のように両端がせり上がった東側玄関のキャノピー(写真5・6枚目)が大きさ・デザイン共に強烈です.
0262:鳴門市文化会館 西側フライタワー①

0262:鳴門市文化会館 西側フライタワー②

0262:鳴門市文化会館 西側外観①

0262:鳴門市文化会館 西側外観②

0262:鳴門市文化会館 西側外観③

こちらは主に西側から見た外観の様子. 大空に向かってズドンと突き出たコンクリートの大塊(写真1・2枚目)はホール舞台のフライタワー. 近年では建物の外観に馴染ませるように一体的に設計されやすいフライタワーですが、ここでは高層ランドマークのように潔く独立させて豪快にデザインしています. コンクリート外壁の目地がコルビュジエの窓割(オンデュラトワール)みたいになっているのも、コルビュジエに強く影響されたとされる増田氏らしい作風だなと感じました.

鳴門市制の施行35周年を記念して建てられた文化会館は1982年の竣工. 増田氏は1981年8月に逝去されたため、こちらは同氏の遺作(没後作)としても知られます. 当然ながら鳴門で手がけた19の施設としても最後の完成作で、実に20年に渡って増田氏は鳴門で活動を続けました. 1998年に建設省(現:国土交通省)が選定した『公共建築百選』において、徳島県で唯一選ばれています. 現在は指定管理者制度により、某お笑い芸能企業のグループ会社が管理運営を行っています.
0262:鳴門市文化会館 北側外観①

0262:鳴門市文化会館 北側外観②

0262:鳴門市文化会館 北側外観③

0262:鳴門市文化会館 北側外観④

0262:鳴門市文化会館 北側外観⑤

0262:鳴門市文化会館 北側外観⑥

さらにグルッと回って北側外観までやってきました. めくれ上がった庇(写真1枚目)、ルーバーの隙間にリズミカルに配された窓(写真2・5枚目)、片持ちで大きく張り出されたキャノピー(写真4枚目)と、コンクリートの力強さとガラスの開放感を絶妙に組み合わせて造形力豊かな表情を作り出しています. 今回は会館内が設備点検中だったため入館はできませんでしたが、次回はアポとって内部も見学できたらと思います.

外観だけでもこう見ていくと、増田氏が鳴門で初めて手がけた市民会館(1961年竣工)と見比べて、あの軽快なガラス建築からいかにしてこの重厚な作風に辿り着いたのか非常に気になるところ. それは増田氏が敬愛したコルビュジエでいう『軽快な「サヴォア邸」から重厚な「ロンシャン教会」へ』の作風の移り変わりに似ている感じがしてなりません. しかしこのサイトでそれは超マニアックな領域がするので、あくまでここでは私個人の与太話ということで. すみません…
0262:鳴門市文化会館 公園空間①

0262:鳴門市文化会館 公園空間②

0262:鳴門市文化会館 公園空間③

0262:鳴門市文化会館 公園空間④

文化会館の紹介は先ほどで終了ですが、ここからは増田氏に関連するおまけ要素へ. 文化会館とその北隣に建つ「鳴門市健康福祉交流センター」の間は、中央に木々が並ぶ公園のような憩いの空間として整備されています. 文化会館と交流センターを結ぶ牛の角断面のキャノピー(写真2枚目)や、撫養川沿いに並ぶコンクリート列柱(写真4枚目)も増田氏の設計っぽく感じますが、確証のある情報が見つかりませんでした. 海が近いためか、若干潮の香りがするのが心地よいです.
0262:鳴門市文化会館 健康福祉交流センター①

0262:鳴門市文化会館 健康福祉交流センター②

0262:鳴門市文化会館 健康福祉交流センター③

0262:鳴門市文化会館 健康福祉交流センター④

そして文化会館と瓜二つのファサードをもつこの交流センター、実はこちらも増田研究室設計で完成した建築作品. 元は1975年竣工の「鳴門市勤労青少年ホーム」(写真1枚目 手前)と1977年竣工の「鳴門市老人福祉センター」(写真1枚目 奥)という2つの施設だった建物を2017年に一体化、健康福祉交流センターとしてリニューアル開館して現在に至ります. 撫養川沿いに2つのRC増田建築が並び、市庁舎・市民会館エリアとはまた違う凛とした都市空間を作り出していました.

撫養川沿いに残る増田友也氏の遺作にして傑作と称された文化会館、マッスのコンクリートの力強さと迫力ある造形に目を奪われっぱなしでした. 健康福祉交流センターも含めて、増田氏が残したこの建築を長く残しておいてほしいものです. 2017年8月の徳島特集はここまで、徳島・鳴門の建築をぜひ巡ってみてください.


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