大阪富国生命ビル - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

大阪富国生命ビル

           
0060:大阪富国生命ビル メイン

0060 - 大阪富国生命ビル
竣工:2010年
設計:ドミニク・ペロー+清水建設
住所:大阪府大阪市北区小松原町2-4

皆様どうも. 今回も「阪急梅田ビルディング」に引き続いて大阪の梅田から、ちょっと不思議なな外観をしたオフィスビル 大阪富国生命ビルのご紹介です. 事務所建築も久々な気がしますね〜 ではでは早速いってみましょ〜

「阪急梅田ビルディング」から東の交差点を渡ってすぐの場所に位置する富国生命の大阪ビルは、1964年竣工の旧ビルの耐震問題によって建て替え工事を実施し、2010年に竣工しました. 高層部を見ると何の変哲も無い、ありふれたガラス仕様の外観のビルに見えますが、低層部をみると至る所ののガラスがボコボコしていて「おや?」と首をかしげてしまうかもしれません.
0060:大阪富国生命ビル 全体外観

0060:大阪富国生命ビル ガラスごとにが角度が振り分けられている

0060:大阪富国生命ビル 表情がガラスごとに異なるファサード

0060:大阪富国生命ビル ファサードを拡大する

0060:大阪富国生命ビル ガラス1枚分を拡大

一部のガラスが凹んでいる…とおもったら飛び出ている? とにかくカーテンウォールの一部がデコボコで、これは地上に下りるほどその度合いは増しています. 一部のガラスは向かいのビルを映し、また一部のガラスは太陽に反射して光り輝き、ガラスごとに様々な景色を投影しています. 「これはもしや設計ミス!?」と初めて見たときは思いましたが、この外観は意図的に計画されたものです.

設計を担当したのは清水建設ですが、デザインアーキテクトとして「フランス国立図書館」などの設計を手掛けた実績を持つフランス人建築家 ドミニク・ペロー氏率いる『ドミニク・ペロー・アーキテクチュール』が担当しています. ペロー氏がこのビルでモチーフとしたことは『大樹』 大阪梅田という超流動的な都市に建つビルを、生き生きと直立する樹木に例えたものです. このデコボコのガラスは樹木でいう所の『樹皮』で、一つ一つ形の異なる樹皮(ガラス)が、都市の様々な景色を映し出すといったコンセプトで設計されています.

ではこのデコボコのカーテンウォールはどのようにできているのかというと、ガラスの取り付け角度の異なる3種類のユニットを組み合わせてできています. つまり「ガラスのはめ込み枠の角度だけをいじる」というシンプルなプロセスでこの外観は出来上がっているんですね. 角度によって生じる隙き間には鏡面板を仕込んでいて、太陽の日光は主にこの鏡面からの反射です. 枠の操作一つで「おや?」と感じさせる意外な外観に仕上がるんですね〜
0060:大阪富国生命ビル 1階エントランスホール

0060:大阪富国生命ビル オフィスロビーの天井

0060:大阪富国生命ビル オフィスロビー

0060:大阪富国生命ビル オフィスロビーの壁面

0060:大阪富国生命ビル 壁面の拡大写真

それでは内部に入っていきます. ビルの低層部には店舗だけでなく金融機関、立命館大学のキャンパスなど大学キャンパスも入居しています. 各フロアの天井(写真2枚目)には『アルミエキスパンドメタル』と呼ばれるメッシュ状の金属板が色・向きを問わずランダムに配置されています.

1階の南側には6階以上のオフィス階へとつながるロビーがあり、このロビー内のデザインがすごくイイんですね. 天井から吊り下げられた1枚のアルミパネルの裏に照明を取り付けて間接照明として、壁面はスパイラル状に編みこんだアルミウオッシュの奥に、正方形に象った乳白色のアクリル板を仕込んで、金属の網の奥から正方形がボウッと浮き出てきていたりと、内部空間の演出のかっこよさに見惚れていました. あの照明とか普通に欲しいですね〜
0060:大阪富国生命ビル 梅田地下街とつながる『フコク生命の森』

0060:大阪富国生命ビル アトリウムから上を見上げる

0060:大阪富国生命ビル ブナ林をプリントした『フォレストウォール』

ロビーからエスカレーターを降りて、地下2階へと着きました. この階からは梅田地下道とも接続しているため、雨の時でも安心です. この階には地下2階から4階までの6フロア分が大胆に抜かれた大アトリウム空間『フコク生命の森』があります. この床材にはピンカドゥと呼ばれる東南アジアの材木が使用されていて、木の濃淡が出にくいという特徴から床・壁面全体が濃い色合いで囲まれ、落ち着きのある空間になっています.

天井を見上げると、エレベーターがある壁面が緑色になっているのがわかります. しかも単色の緑ではなく、どこか森っぽい雰囲気のあるルーバーが連続しているようです. これは『フォレストウォール(森の壁)』と呼ばれるもので、白神山地のブナ林の画像をプリントしたガラスをルーバー状に並べてできています. ペロー氏自身はこれを『人工のランドスケープ』と称しており、太陽に照らされた緑がアトリウム内部に投影されて色彩的な気持ち良さが感じられました.

今回はここまでです. 私も梅田にはたまに来ますが、地下街で休憩したいときは必ずここに来るほどお気に入りのスポットです. でも皆さんここがお気に入りなのか、休日とかはベンチも満員で座れないほどの人気があるので、このアトリウムはそういう意味では愛されているな〜と感じさせられます. 不思議な外観、くつろぎのあるアトリウム、梅田に来たら一度来てみてはいかがでしょうか. というわけで今回はここまで〜


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