瀬戸大橋記念館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

瀬戸大橋記念館

           
0085:瀬戸大橋記念館 メイン

0085 - 瀬戸大橋記念館
竣工:1988年
設計:山本忠司
住所:香川県坂出市番の州緑町6-13

皆様どうも. 一昨日(14日)から頻発して発生している熊本地震による多くの方々の被災情報を受け、私自身大変心配しております. 寒さに悩まれる季節でないことは幸いですが、明日からは九州が大雨になるということで、土砂災害による二次被害も懸念されます. 被災された方の生活が一刻も早く復旧されますことを願っています.

それでは瀬戸内芸術祭春訪問の4回目にして最終回です. といいましても、こちらは沙弥島訪問の際に偶然見つけた建築で、芸術祭の作品施設ではありません, よって最終回とは述べていますが番外編という位置付けとして認識していただければと思います. 今回の舞台は沙弥島の西隣に位置する埋立エリアに位置するユニークな外観をもつ記念館 瀬戸大橋記念館をご紹介していきます.
0085:瀬戸大橋記念館 瀬戸大橋と瀬戸大橋タワー

0085:瀬戸大橋記念館 南側外観

0085:瀬戸大橋記念館 北側外観

0085:瀬戸大橋記念館 入口

瀬戸大橋の四国本土側に位置する沙弥島をはじめとする湾岸地区には、瀬戸大橋に関連した数多くの施設があるのも一つの特徴です. なかでも目を引くのは全高108mもある展望塔「瀬戸大橋タワー」、ドーナツ型の展望室が数分かけて上昇した後、中心のポールを軸として360度ぐるっと回転する珍しいタイプの展望台です. そんなタワーの傍にピラミッド型の屋根がぴょこっと奥から見えているのが写真からわかりますが、こちらが今回の主役となる記念館です.

香川県が事業母体となる歴とした公共施設なのですが、その佇まいは公共建築のそれからすれば明らかに独特なものです. ピラミッド形の屋根を中心に、四方に小さなピラミッドの屋根を配置した神殿のような佇まい. 沙弥島からのバスの途中でこの記念館を見たのですが、はじめは宗教施設の祭殿か何かと勘違いしていました. RCで覆われた外壁に施されたアーチのデザインやシンプルな丸柱が並べられた入り口など、細部を見れば見るほど神殿感が際立って見えます.
0085:瀬戸大橋記念館 エントランス

0085:瀬戸大橋記念館 エントランス上部トップライト

0085:瀬戸大橋記念館 エントランスの壁面

じつは訪問当初この建物に関しては全くのノーマークだったのですが、私個人の建築的な勘がビビッときてしまい、バスまでの残り時間で中に入ってみることに. 西側玄関に入ってすぐのエントランスホールは天井からのトップライトが館内を照らす広々とした空間. アート作品にもなりえそうな正面の壁面デザインや、上部に張り巡らされた独特な木格子もカッコイイです.

こちらの記念館は、世界最長の鉄道道路併用橋「瀬戸大橋」の竣工記念として1988年に開催された『瀬戸大橋架橋記念博覧会』のパヴィリオンの一つだったものを、展示施設として活用したものです. 「明石海峡大橋」や「しまなみ街道」など他ルートに先駆けて開通したこの橋は、宇高連絡船でしか繋がらなかった本州〜四国間の交通・ライフラインを劇的に変えることになりました. この施設はまさにその栄華を讃える象徴として、今もこの場所にあり続けているのです.
0085:瀬戸大橋記念館 展示室の様子

0085:瀬戸大橋記念館 展示室の中庭

0085:瀬戸大橋記念館 独特な天井格子

0085:瀬戸大橋記念館 展望台へのエレベーター

館内には瀬戸大橋で実際に使用されている技術・この国家プロジェクトに関わった人々の情報等が展示されています. 観覧無料なので自由に観覧ができるのは非常に嬉しいですね. 観覧スペースの途中には中庭が設けられており、アート作品のようなオブジェが配置されています. 個人的にはエレベーターに使用されている石材が風土感のある意匠にみえてイイなこれと思ったりも. そこで職員に設計者を尋ねたら「県のひとでね〜 丹下さんと県庁舎を手がけた人なんよ〜」と答えてピンときました.

ここで初めて設計した方の紹介ですが、手がけたのは建築家 山本忠司(やまもと ただし)氏です. 香川県建築課の課長という公共建築設計のトップにいた人で、丹下健三氏の代表作である「香川県庁舎 旧館」の実務設計を指揮した人としても有名です. その後も丹下氏の公共建築のDNAを引き継ぎ「香川県立武道館」や「瀬戸内海歴史民俗資料館」など建築作品の豊富な香川県の公共建築の礎を築いた立役者として活躍. この記念館は85年の独立後に手がけた作品です.
0085:瀬戸大橋記念館 西側から展望次第へのアプローチ

0085:瀬戸大橋記念館 野外踊り場スペース

0085:瀬戸大橋記念館 屋上展望台

0085:瀬戸大橋記念館 展望台から「水の回廊」をみる

0085:瀬戸大橋記念館 展望台から瀬戸大橋をみる

神殿のような外観をしたこの記念館ですが、じつは東側に設置された階段から展望台へと登ることができます. 四方の小ピラミッドのある屋根を中間の踊り場スペースとして配置させ、最上階中央部の展望台へとつなぐ階段は、各ピラミッドを『結ぶ=橋』という意味が込められています. 階段をぐるっと回りながら沙弥島・瀬戸内海、そして瀬戸大橋を見渡すアプローチは圧巻もの. ぜひ一度登ってみることを推奨します.

瀬戸大橋の歴史も学べ、瀬戸大橋を見渡せる展望台にも登れる神殿のようなユニークな記念館建築. 沙弥島へ訪れた際はぜひ一度ご来訪ください. ではでは今回はここまで〜


◆ この記事に関連する建築マップ
瀬戸内建築マップ - 岡山・香川の瀬戸内海を中心とした建築マップ


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