2016/04/30




今回は時間の関係で夕方に撮影したものを掲載しています. 松山城の南を東西にはしる国道11号線は市役所や警察本部など愛媛県の中核機関が立ち並び、その中央を路面電車が行き通う松山のメインストリート. その沿道に建つ県庁舎は路面電車が大きくカーブする交差点の角地に立地しており、今回の主役はその中でも緑色のドームが目印となる「本館(本庁舎)」です. 遠くから見ても細かい装飾が随所に見受けられる威厳のある外観です.
銅版葺きのドーム塔屋が目印となる本庁舎は昭和4年(1929年)に完成したレトロ建築. 現役で機能する本庁舎としては「大阪府庁」「神奈川県庁」につづいて3番目の古さを誇ります. 設計を手掛けたのは「萬翠荘」でもご紹介した木子七郎氏. 欧州で学んだ西洋様式を用いた左右対称の美しい外観に仕上げた木子氏の代表作です. 他に木子氏は「新潟県庁舎」も手掛けていたのですが、こちらは現在の庁舎への移転に伴って取り壊されてしまいました.





正門付近から外観を細かくみています. 外壁は全て同じタイル張りではなく、一階窓付近だけは石張りを巡らせて前庭の植物でうまく隠していました. 正面に掲げられた右読みの『愛媛縣廳』は竣工当時をよく表すレトロ要素です. 3連続で並ぶアーチ窓の縁周りには、コリント式オーダーを簡略化したような柱を縦に並べた細かな装飾(写真4枚目の左部分)が見られます. 個人的には随所に装飾された花文様のモチーフが何かずっと考えていましたが、結局わからずじまいでした.
既に閉庁時間は過ぎてしまっていたため外観だけの紹介ですが、どうやら事前予約をすれば職員が案内してくれるらしいです. 県庁ってお堅い印象ですが、おおらかな県民性で知られる愛媛では誰でもウェルカムなようで、今度行ったときは内部も見せてもらおうと思っています. そんなレトロな風貌を今に残すレトロクラシックな庁舎建築、近くを歩いた方は装飾を探すだけでも楽しいかもしれません. ではでは今回はここまで〜
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