



「京都市美術館」のある神宮通の反対側からの撮影写真
(写真1枚目)をみると、レトロな近代建築の奥手にガラス張りの大きな建物が確認できます. 図書館は2000年まで手前にある旧館のみで運営されていましたが、阪神淡路大震災発生時に天井が脱落する等のトラブルが発生し、木造の耐震性も加味されたことで旧館手前部分の外観保存という格好で2000年に新図書館が完成. 旧館の雰囲気は損なわないように、奥手に増築棟をセットバックするなどの配慮がなされました.
旧館部分は『関西建築界の父』とも謳われる大正期を中心に活躍した建築家 武田五一
(たけだ ごいち)氏の作品です. 京都を中心に数々の建築作品を残す一方で、京都帝国大学
(現 京都大学)の建築学科などの創設にも携わり、後世の育成にも尽力しました. また政府による幾度もの欧米視察を通じて、当時流行だったアール・ヌーヴォーや分離派など前衛的なデザインを日本に紹介したといわれています. 府立図書館は大蔵省による欧米視察から帰国してすぐに手掛けた作品です.





旧館の外観は銅色の装飾が目立ちながらも、全体的にはスッキリとした印象. 勾配が大きく取られた黒色の屋根と、テラコッタによる白色の外壁のコントラストがいい感じです. 端部の円形装飾
(写真2枚目)や扉に描かれた円のデザイン
(写真4枚目)など、幾何模様が目立つのは視察で触れた欧米様式の影響でしょうか. 装飾が豪華な古典様式もいいですが、こういうスタンスの近代様式も素敵だなと思います.
図書館へは旧館の北側にある小さい入口
(写真5枚目)から入ります. 館内撮影は許可申請制らしいのですが、当日は知りませんでした. 旧館のメインとなるスペースは壁面・天井面共に真っ白な空間になっており、ペンダントライトで柔らかく照らされていました. オリジナルの部分はほとんど残りませんが、窓の開口を旧館外観と同じ形で切り取っているのが良かったように思います. 入場はカード類必要なく誰でも入れます. 近代レトロな図書館建築にぜひ. ではでは今回はここまで〜
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