2015/11/11
奈良市写真美術館

0012 - 入江泰吉記念 奈良市写真美術館
竣工:1991年
設計:黒川紀章
住所:奈良県奈良市高畑町600-1
賞歴:1992年日本芸術院賞
1993年BCS賞
今回は平城遷都1300年からあっという間に5年が経過した奈良県から奈良市写真美術館の紹介です. この美術館は奈良大和路の風景や文化財を撮り続けた写真家 入江泰吉の作品を保存・研究することを目的として建てられました. 場所は奈良公園の南にある新薬師寺の西隣に立地しています. 学校や住宅街のある閑散とした町並みの中に、本瓦葺きの巨大な大屋根を携えたシルバートーンの本館が見えてきます.
設計したのは建築家 黒川紀章氏. 以前に晩年作である「国立新美術館」を紹介しましたが、それよりも16年前の作品です. 同時期に「きびプラザ [1992年]」や「和歌山県立近代美術館・博物館[1994年]」を手掛けていますが、初期の「寒河江市庁舎」が1967年なのを考えると、この作品も大分後の作品になります. 佇まいを見る限りではモダニズムというより、奈良という和の町並みを意識した形態に見えます. 恐らく隣にある新薬師寺に対する景観配慮でしょう. ちなみに黒川氏は、この美術館で日本芸術院賞を受賞しています.
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