




前半の写真
(1・2枚目)は北山通の対向側から撮影したものです. コンクリートブロックの外壁が大きくカーブし、西側の階段へ人を引き込むような特徴的な外観です. 安藤氏の商業建築というと先述の「ガレリアアッカ」や表参道の「COREZZIONE」など、入口を狭くして奥を広い空間にする印象が個人的に強かったのですが、北山のこちらは手前を広くして奥の階段を徐々に狭めるという真逆のオープンな構成だったのが意外に感じました.
外壁にはコンクリートブロックが使用され、『馬目地』というレンガに近い積み方でムラを目立たせないように丁寧に仕上げられています. 帯状に横に伸びる打ち放しコンクリートの部分は、建物各階の床高さが帯の上部分と重なるように高さが調整されており、カーブ壁の開口高さもこの帯をベースに切り取られています
(写真4枚目). 打ち放しとブロックを使い分けることで、建物に微妙な表情の変化をつけているのが実にイイです.





1階には北山では有名な高級モンブラン店が入居しており、撮影時も高級車からセレブな方が何人も入っていくのが見えました. 階段から2階へ上がると植物が置かれた歯科医院があり、そこからカーブ壁と店とのすき間
(写真3枚目)を見下ろすことができます. 奥が若干広いこともあってか、あまり窮屈な印象はありません. さらに上へと上ると屋上階
(写真5枚目)へ到着. 屋上廊下の奥には自転車があるのですが、まさか毎回使用する度に上まで持ち歩いているんでしょうかね.
今回は短めですがここまでです. 実は一部サイトでは「店が通りから隠れてしまって使いにくい建築だ!」という意見が見受けられました. 確かにそれは尤もですが、それは『商業=人目につく』という当たり前に対するアンチテーゼというべきか、おしゃれなストリートとしての印象が確立している北山通りに対して、視線を緩やかに遮断することで『緩やかなオクの空間』を創り出しているというプラスの表現としてこの記事では解釈したいと思います.
安藤氏の商業建築に対するこの指摘はこの北山だけに限ったことではありませんが、それはまた別の建築で. ではでは今回はここまで〜
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