





まずはじめに掲載しているのは、この会館のメインとなる「本館」の外観です. 斜めに配された柱
(写真6枚目)、それに伴って台形の断面が形成された巨大なボリューム、コンクリートによる造形豊かなデザイン
(写真3枚目など). メインがSRC造とはいえ、コンクリートも突き詰めればここまでできるかと脱帽してしまうほどの見事なもの. その佇まいから日本の伝統的な『合掌造り民家』の佇まいを想起させると観光サイト等では紹介されています.
京都宝ヶ池公園に隣接するように建つこちらの会議場は、日本初の国立会議施設として1966年に開館し、『京都議定書(COP3)』の会場としても有名になりました. 会館は大きく分けて2つの建物で構成されており、メインとなる「本館」とイベントホールが備わった「会議場棟」が小川
(写真1枚目手前)を隔てて配置され、互いの建物をブリッジで繋いでいます. 会館の道路向かいには、村野藤吾氏の没後作品である「旧京都宝ヶ池プリンスホテル」があります.






もう少し本館正面の外観をみていきましょう. 本館の東玄関手前にある車止めスペース
(写真1・2枚目)には斜め柱に支えられた巨大な屋根が架けられており、柱梁による構造の力強さが感じられます. 室外機の囲い
(写真5枚目)のデザインや車ゲートに埋め込まれた青色ステンドグラス
(写真6枚目)など、よく目を凝らせば細かい意匠がちりばめられているのも面白いポイントです.
1963年開催の国が主催となった設計コンペでは『戦後日本のデザインとは』というテーマのもとで195点もの作品が応募され、最優秀案に大谷幸夫氏の案が一等となりました. 大谷幸夫氏に関しては、以前紹介した
「千葉市美術館・中央区役所」にて詳しく説明しています. 後にこの建物はDOCOMOMOの100選に選定され、戦後モダニズム建築を代表する作品のひとつとして高く評価されています.




そしてこちらは「会議場棟」です. こちらは本館の竣工から20年後の1986年に建てられたおので、館内にはイベントホールだけでなく宿泊ロッジもあるそうです. 中央にガラスの三角錐が配された方形屋根が特徴で、幾何的でメタリックなカッコよさを感じさせます. 駐車スペースの屋根
(写真1枚目)から外壁の端部
(写真3枚目)にまで幾何装飾が拵えられています.



さらに回り込んで裏手へ進んできました. 屋根が何枚も連続している部分
(写真1枚目)は、先ほど説明した宿泊ロッジのエリアです. 休憩所としても機能するピロティスペース
(写真2枚目)からは、小川沿いに展開する緑を眺めることのできる気持ち良さそうな空間でした. 小川の奥手には本館と展示場棟を結ぶブリッジ
(写真3枚目)が確認でき、三角形を組み合わせた『三つ鱗紋』の逆さ紋様が強調されたデザインになっていました.
今回はここまでとなります. あれ?外観は?とお思いかもしれませんが、実は当日はとある学会の全国大会のため
全館一般客は入場禁止という状況だったため、さすがに交渉もできそうになく次回に持ち越しに… 調べてみると事前申込で1時間程度の館内見学ができるそうなので、再挑戦時は申込していこうと思います. ただ土日となると何らかの会議で使用される確率高そうなので、狙うとしたら平日でしょうかね. ではでは今回はここまで〜
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