岡山県立美術館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

岡山県立美術館

           
0139:岡山県立美術館 メイン

0139 - 岡山県立美術館
竣工:1987年
設計:岡田新一
住所:岡山県岡山市北区天神町8-48

皆様どうも. 岡山県中心部の建築特集2件目からは『岡山カルチャーゾーン』の建物を取り上げていきます. 『岡山カルチャーゾーン』とは、JR岡山駅東側に位置する「後楽園」と「岡山城」を中心とした12の文化施設の集まる地域のことで、各施設を徒歩で周遊できるのがポイント. 最寄り駅である城下駅も、JR岡山駅からも路面電車で3駅と近く、100円で行けるのも魅力です.

今回はその施設のひとつ、県立の美術館である岡山県立美術館をご紹介していきましょう.
0139:岡山県立美術館 外観①

0139:岡山県立美術館 外観②

0139:岡山県立美術館 外観③

0139:岡山県立美術館 外観④

0139:岡山県立美術館 不思議な入口

美術館は岡山電気軌道城下駅を降りて北へ歩いてすぐの場所にあります. 外観は白の石貼りと緑掛かったタイル材の冴える建物で、とりわけ石貼りのボリュームは採石場の岩肌のように綺麗に整形されたような、美しくも重厚感に満ちたものになっています. 道路側の列柱(写真3枚目)は荒い表面の石貼りに三角形型の柱頭を取り付けたユニークなもので、建物南側にあった搬入口?のデザイン(写真5枚目)も裏口ながら気合いの入ったデザインです.

『県美』の愛称で親しまれるこちらの美術館は、旧県庁舎が位置していた天神山の県保有施設の再開発として計画され、1988年に完成しました. 設計を担当したのは「最高裁判所」の設計を手掛け得たことで有名な建築家 岡田新一(おかだ しんいち)氏です. 先でも述べたように、採石場の岩のような巨大なボリュームを美しく見せるのが印象的な建築家で、作品の一つである「宮崎県立美術館」では日本芸術院賞を受賞. この美術館もJIA25年賞として表彰される作品です.
0139:岡山県立美術館 エントランス①

0139:岡山県立美術館 エントランス②

0139:岡山県立美術館 展示階への階段

0139:岡山県立美術館 外へも繋がる踊り場①

0139:岡山県立美術館 外へも繋がる踊り場②

それでは館内へ. エントランススペース(写真1枚目)は柱頭部分が間接照明となった柱が並ぶユニークな空間. エレベーターまわり(写真2枚目)には三角形のデザインが散りばめられており、そのデザインは天井照明の部分にまで及ぶ徹底ぶりです.

館内は地下1階・地上2階の3フロア構成. 当日開催されていた展示室は2階展示室のみで、エントランス左手の階段(写真3枚目)をのぼっていきます. 途中の踊り場からは、巨大なリブガラス越しに中庭を見ることができ、実際に外に出て一息つくことが可能(写真5枚目). 石でできた椅子はこの美術館オリジナルのものでしょうか. カッコイイですが、持ち運びが大変そうです. ちなみに中庭北の竹林の奥には前川氏の「天神山文化プラザ」がみえます.
0139:岡山県立美術館 屋内広場①

0139:岡山県立美術館 屋内広場②

0139:岡山県立美術館 屋内広場③

0139:岡山県立美術館 屋内広場④

0139:岡山県立美術館 地下のオブジェ

展示室への階段の左側に非常に大きな吹抜け空間があったので、階段を逸れて地下フロアに降りてきました. 地下から2階までのフロアが吹抜けるこちらは「屋内広場」と呼ばれ、写真2枚目のように美術館の内部を広く見渡せる場所になっていました. 先ほどの階段の奥に、中庭の竹林の緑が視線として通っているのもいい感じです. 広場の北には特製の長椅子が設えられており、小舞台としても利用できそうなのですが、当日は何もなく殺風景なのがもったいない感じでした.

地下フロアにも展示室があるのですが当日は締め切りでしたが、その入口脇にあるサンクン(半地下)のような空間には鉄でできたオブジェが設えられていました. 作品名・著者名が記載されてなかったので、岡田氏自身が空間とセットで手掛けた美術作品のようにもみえますが、真相は謎です.

他にも美術館の東側にはホールがあるということだったのですが、こちらも閉鎖中でした. ちょっと見学のタイミングが悪かったかなとは思っているので、次回訪問したときにでも見れたらと思います. ではでは今回はここまで〜


◆ この記事に関連する建築マップ
瀬戸内建築マップ - 岡山・香川の瀬戸内海を中心とした建築マップ


関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

非公開コメント

プロフィール

的野 峻一(MATŌ)

Author:的野 峻一(MATŌ)
『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介しています. 詳しい活動内容はエントランスページよりご確認ください.

風景写真・デザイン活動のページ

インフォメーション

【2023.1.22】 「鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ」の「21.山梨県【中部】」を公開しました.

写真使用依頼等はページ上部のメールフォームにて受け付けております.(※返信は遅めです. 当日中の返信はあまりできません. 申し訳ありません.)

紹介する建築スポットの情報は、原則的に投稿日時点の情報になります. 現在と比較して古い情報や記事内の誤字・脱字等がありました場合は、該当記事内の各コメント欄またはメールフォームでご意見いただけますと幸いです.

活動実績(写真提供・寄稿等)

◆『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました. 『近代建築』バックナンバー

◆『トラベル.jp たびねす(現:トラベルjp 旅行ガイド)』のライターとして、以下の建築スポットガイド記事を寄稿しました.【2016〜2018年在籍】

・大阪狭山野池美術館リンク
・松柏美術館リンク
・みんなの森 ぎふメディアコスモスリンク
・秋野不矩美術館リンク
・植村直己冒険館リンク
・南方熊楠記念館リンク
・中谷宇吉郎雪の科学館リンク
・生きた建築ミュージアム【2017】リンク

最新記事

日本全国 JR特急路線図
松江建築マップ
鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ
弘前建築マップ
芦屋市民センター
大阪中之島美術館

スポンサーリンク

Twitter

Facebook

スポンサーリンク