




それでは外観からです. 美術館の入口門となる建物
(写真1枚目)は、本瓦になまこ壁という格式の高そうな和の佇まいを感じさせる素晴らしいもの. かつてここは旧二の丸屋敷の対面所だった場所で、岡山藩の支藩であった武家屋敷から移築された長屋門を、美術館の入口門として活用しているということです.
門をくぐると美術館の本館がみえてきます. 松をベースとした日本庭園のような植え込み・野面積みされた石垣という和のアプローチの先の小高い敷地に建つ本館は、その風景と馴染むように平たく水平力の効いた外観になっています. コンクリートは全体的に黒ずみ、古レンガの壁面も深みのある色合いになっているため、石垣の上にあっても違和感がない. 古き日本の佇まいに、モダニズムの美術館が共存するように建っているのが印象的です.
こちらの美術館は、岡山市に本社を置くバイオメーカー『林原』の3代目社長であった林原一郎氏が蒐集した古美術コレクションを展示するメセナ事業の一環として、1964年に開館しました. これらの他に、岡山城主であった池田家の伝来品も収蔵・展示しています. 入口手前から長屋門をみると、わずかに岡山城もみえる
(写真5枚目)のがいいですね.




それでは館内へ. 内部は竹林が植えられた光庭
(写真1・2枚目)をロビー・カフェ・展示室などの各スペースがロの字に囲い込む空間構成になっています. 中庭の壁にも古レンガが敷かれているため、竹林と古レンガという組み合わせ
(写真3枚目)はとても珍しいです. 展示室は数室しかないコンパクトな構成で、さらっと見流す程度であれば10分程度で鑑賞ができます.
写真4枚目はカフェスペースの写真です. 実際に椅子に座ってみると、横手には中庭の竹林、もう一方には芝が植えられた緑の空間が連続しているのが大変心地いいです. 備え付けの椅子も豪華そうなもので、どこかの豪邸のサロンにでも座っているかのような高級感がありました. 烏城公園以外にも、岡山の中心部にこんな気持ちのいい緑のスペースがあったことに驚きです. 後から調べてみると、外庭は解放されているようで、今度は庭からの風景も撮りたいですね.
日本の和の空間とモダニズム建築が共存して建つ美術館建築にあなたも是非. ではでは今回はここまで〜
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瀬戸内建築マップ - 岡山・香川の瀬戸内海を中心とした建築マップ
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