



ホールへは岡山電気軌道の県庁通り駅を下車してすぐの場所にあるので、駅に着けば迷うことはないでしょう
(写真1枚目). 大通り側の外観は、4本のコリント式オーダーに支えられた三角ペディメントを中央に設える堅実な古典様式の外観. 壁面には組積造による積み跡が、リズム感のある模様として浮かび上がっています. 古典様式の近代建築には疎いのですが、過度に飾らない左右対称性の効いたこのファサードは、個人的にも美しいと感じてしまう見事なものです.
このホールは元々、全国の日銀支店を手がけた長野宇平治
(ながの うへいじ)氏の設計のもと、日本銀行の旧岡山支店として1922年に開館したのが始まりです. 今でも建物は新しくなれど、軌道線の通るこの南北通りには銀行施設が多く並ぶことから、1987年の新店舗に移るまで、この銀行街一帯の中心的な建物として親しまれていたと思われます.
新店舗に機能移転後は、岡山県が県立図書館として再生を試みたものの頓挫状態に. 最終的には県民有志で構成される『旧日銀岡山支店を活かす会』のメンバーで構成されたNPO法人『バンクオブアーツ岡山(BOA)』に管理を委託し、建築家の佐藤正平
(さとう しょうへい)氏主導のもとで、2005年と2011年の2期に分けて保存再生工事を実施し、現在の姿に生まれ変わりました. この活動は高く評価され、2012年の建築学会賞の業績部門で表彰されています.





では館内に入ります. 既存部の正面玄関は締め切られていますが、改修によって新しく北隣に増築された入口
(写真1枚目)が現在の玄関となります. この増築以外に改修工事でやったことを述べると「メインホール裏手の建物群を取り壊して中庭
(写真3枚目奥)を整備」「公文書棟や金庫棟をカフェ・ギャラリーとして整備
(写真4・5枚目)」が実施されました. ギャラリーやカフェには銀行時代の扉が使用されており、当時の銀行の雰囲気に触れ合えるのも面白いポイントです.
そしてメインとなる多目的ホールに入ろうとしたのですが、当日はコンサート中で、終了までに電車が間に合わないということで見学を断念. アポなしだったのですが、ホールの資料冊子まで用意していただいたスタッフさんには大変感謝しています. イベントがない日にまた来てください〜ということだったので、今度は天気のいい日に再撮影したいです. 大正時代から続く岡山のリノベーション近代建築、興味のある方は是非一度. ではでは今回はここまで〜
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