2016/08/09




美術館のある『広島中央公園』は、丹下氏設計の「広島平和記念資料館」などがある『平和記念公園』すぐ北側に隣接するおよそ58haの規模を有する公園です. 広島駅からお越しの場合は、広島電鉄の紙屋町西・紙屋町東電停を降りて、県庁通りを北に進むとみえてきます. かつてこの公園一帯は江戸時代は武家屋敷、戦時中は陸軍の中核拠点でした. しかし原爆投下後は、バラック小屋があつまる『原爆スラム』が形成されるなど、時代毎に大きく姿を変えていきました.
1970年代の再開発によって、この地区一帯は緑の生い茂る巨大な都市公園として再整備され、現在は公共アリーナや市立図書館が集まるカルチャースポットとなっています. 外周をグレーの壁面で大きく囲われ(写真1枚目)、壁の奥に青銅で葺かれたドーム状の建物がシンボリックに佇む(写真3枚目)美術館は、広島銀行の創立100周年を記念して建てられたもの. 写真3枚目ではベビーカーを押す人が割り込んでいるのですが、正面玄関からエントランスのガラス扉、さらにその奥に本館ホールの扉が連続している光景がとても印象的でした.





それではチケットを購入して中の広場へ. ちなみにこの美術館を鑑賞する場合は、常設展と特別展はセットでの鑑賞が基本となります. 常設展示をする本館は、壁面を真っ白に設えた円形の建物で、この周囲をロの字型に展開された野外回廊(写真4枚目)が囲んでいます. 外部からはあまり感じなかったのですが、実際に間近でみると結構大きい建物に感じます. 青銅の正面扉(写真3枚目)もなかなかカッコイイです. 本館の外周には池も整備され、実際に鯉が泳いでいました.
本館に入ると天井部分がトップライトになったドーム屋根の中央空間に通され、中央に配置された彫刻家アリスティド・マイヨールの『ヴィーナス』が自然光によって明るく照らされているのが印象的でした. 特別展を展示する別館はこの本館の裏手にあり、地下の展示室を回遊するように鑑賞を楽しむ構成になっています.
回廊で広場を囲い込むという一見すると閉鎖的な構成に思えますが、外周壁の高さのバランスが良かったのか、外側からはあまり圧迫感がなく、内部からもそこまで閉鎖感のない中庭空間になっているのが、個人的にはとても気持ちが良かったです. もうすぐ40年が経つということで外壁に若干の汚れが目立ちますが、今後も永く親しまれていってほしい空間でした. ではでは今回はここまで〜
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