





市民会館は阪神電鉄の西宮駅を降りてすぐ北側、市の中心である西宮市庁舎のすぐ南隣というアクセス良好な場所にあります. 北東側外観
(写真1枚目)の見た目は巨大なコンクリートの塊のようですが、東側の外壁
(写真2枚目)をみるとハツリ仕上げによる荒々しい表面と、モルタル吹付による綺麗な表面を組み合わせて、リズム感のあるユニークな外壁に仕上がっています. 他にも丸みのある出っ張りスペース
(写真3枚目)、かまぼこ型に大きく開けられた地下入口
(写真5枚目)など、コンクリートによるユニークな造形がみられるのがいいポイントです.
『アミティホール』の愛称で親しまれるこちらの市民会館の竣工は1967年. 設計は京都大学教授であった増田友也
(ますだ ともや)氏が率いる『京都大学増田研究室』です.
「鳴門市役所・市民会館」や「京都大学総合体育館」などの代表作を残す増田氏は、哲学的思考による建築論を提唱した建築家としても有名. 往年には『東の丹下健三、西の増田友也』と称されたといわれますが、これは互いの教授の役職や『東京大学丹下研究室』を対比させたフレーズに感じます.




会館を時計回りにぐるっと一周歩いてみます. こちらは阪神電車が近くを通る南側から撮影したもの. 写真では上手く撮影できていませんが、全体的にカーブした外壁やシリンダー型の屋外階段
(写真2枚目)など、地上6階建てという大ボリュームを固苦しくみせない、特徴的な造形が施されているのが印象的です.
そう思いながら西側に目をやると、同じく『アミティホール』とテント屋根に書かれたビルディングタイプの建物
(写真3枚目)が. 四隅にアールがかかる独特な窓割りをした、黄土色に近いパネルで彩られたファサード
(写真4枚目)ですが、じつはこちらも市民会館の一部. 市民会館は主に2つの施設にわかれ、東側はコンクリートの表面が特徴の「ホールブロック」、西側はビルタイプとなった「集会室ブロック」が連続した構成になっています.
この「集会場ブロック」の外観ですが、竣工当初はブリーズ・ソレイユが設えられた、プレキャストのコンクリートの外壁だったようですが、1983年の増築事業に伴って現在のガラスとアルミパネルの外壁に変更されてしまったそうな. 当初の姿がどこを探しても出てこないので、個人的にはどういう外壁だったのか気になるところです.





それでは内部へいざ. ホール席は2階になるため、市民会館の入口も階段をのぼって2階にあがる必要があります. ところが「ホールブロック」の入口はチェーンがかけられ閉鎖状態
(写真1枚目). 仕方なく10mほど横にある「集会室ブロック」の入口を通って事務の人に話を聞くと、どうやら合唱団の練習中のため一般者は立入禁止となってました. 当日は休日でしたが、『アミティホール』の観覧は平日がベターなようです.
仕方がないので他の部分の撮影許可をとって「集会室ブロック」をグルグルと. 個人的に目を引いたのは、エレベーターホールの壁面に敷かれたスクラッチタイル
(写真3・4枚目)で、一部を普通の煉瓦タイルにすることで、疎らな感じの良いデザインになっていました. もう一つは階段の手摺
(写真5枚目). 木材のパーツが非常に大きく、子供の積み木のようなシンプルなパーツの組み合わせがとてもユニークでした. 今度はホールも見れればとおもいます. では今回はここまで〜
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