2016/09/28






先述した通り、図書館は県立美術館の南隣に隣接するということで、駅からのルートや『県民文化の森』に関する情報は「岐阜県美術館」に一本化して省略します. こちらの図書館は、岐阜城のある金華山山麓にあった2代目の図書館施設を新しくする目的で1995年に移転開館した3代目のもの. 金華山時代よりも前に存在した初代図書館は「岐阜教育会館」というレトロ建築として長らく放置状態にありましたが「ぎふメディアコスモス」の建設と共に取り壊されました.
岡田氏の建築というと、整形された採石場の岩肌のような美しい石貼りの外観が強くイメージとして残っているのですが、こちらは柱梁が白い外装で強調されたモダニズムっぽい外観. 実はこの数ヶ月前に代表作である「宮崎県立美術館」が竣工しているのですが、本当に同時期の作品かと疑ってしまいます. 奥行きのあるピロティ(写真3枚目)も見ごたえありですが、個人的に目に留まったのは風除室(写真6枚目). 天井面を内側に引っ込めることで全面ガラス張りとし、なおかつ天井もカッコよく見せているという小さなこだわりを感じます.





玄関からもう少し奥側の外観を掲載しています. 奥側を見て驚いたものの一つは非常階段らしき階段ユニット(写真1・2枚目). なぜ本館とユニットがこんな長い外廊下で結ばれているのかは正直わかりませんが、廊下の下部分にある立体トラスはカッコよく感じます. ユニットの見た目も結構いい感じなのですが、雨水による外壁の黒汚れ(写真2枚目 右部分)がかなり目立ってしまっているのは残念.
もう一つ驚いたものが、グネグネと波打つカーテンウォール(写真3〜5枚目)です. これを見ると黒川紀章氏が晩年期に手掛けたガラス建築を思い浮かぶのですが、時系列的にはこちらの方が先っぽいです. ガラスの外周にキャットウォークを巡らせることで、小さい庇のようなデザインとして扱っているのが個人的には好きなところ. このスペースには野外ベンチが何個もあるのですが、誰もいなかったのがちょっと寂しいです.
館内は諸事情により掲載を断念. エントランスエリアは、受付カウンターから奥にある芸術作品までが一体となった2層吹抜けの空間. 石のギザギザとしたデザインが特徴的で、こちら(内部)の方がデザイン的に岡田氏らしいな〜と思うような部分もしばしば. 2階に上がると三日月型に空けられたトップライトが、綺麗な枠の陰影をフロア内に落とし込んでいるのが印象的でした. 図書館の特色としては、地図資料の数が豊富ということで、2階にある企画展示コーナーでは地図に関する常設展示も行っています.
あまり注目されることのない県立図書館ですが、内部に色濃く残る岡田氏のデザインは色々と目を見張る部分があって結構楽しめました. 岡田建築の中ではマイナーな作品かもしれませんが、気になった方は是非一度. ではでは今回はここまで〜
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コメント
No title
時期は未定ですがリニューアル計画があるようです
2~3年後にはこの図書館の隣にぎふ森の恵みのおもちゃ美術館が
出来る予定です
2016/09/30 00:05 by 岐阜駅まで徒歩15分 URL 編集