大成閣 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

大成閣

           
0175:大成閣 メイン

0175 - 大成閣
竣工:1964年
設計:村野藤吾
住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋1-18-12

皆様どうも. 今回は前回でご紹介した心斎橋の村野建築「浪花組本社ビル」に連続して、心斎橋エリアに建つその他の村野建築をご紹介していきます. その一つが、心斎橋エリアの北をはしる長堀通に近い場所に建つ中華料理店 大成閣(たいせいかく)です. こちらの竣工は1964年と、前回の浪花組と同年に建てられています. それでは早速まいりましょう.
0175:大成閣 心斎橋筋から

0175:大成閣 ファサード①

0175:大成閣 ファサード②

0175:大成閣 ファサード③

写真1枚目はインバウンド(訪日外国人)で賑わう『心斎橋筋商店街』からの眺め. 浪花組は看板などのサインがないので判りづらかったですが、こちらは建物両脇に大きな看板があるので、見間違いの心配はないでしょう. 一世代前の心斎橋には「そごう大阪店」や「心斎橋プランタン」、「村野建築研究所心斎橋店」などの村野建築が多く存在していましたが、それらが解体された今では大成閣と浪花組、そして道頓堀沿いの「ドウトン」が現存するのみです.

写真2枚目からは建物の顔となるファサードの様子です. 六角形のデザインが連続する特徴的なファサードは外観はアルミの成形材で構成されており、見た感じではバルコニーの落下防止としても機能しているようにみえます. 浪花組は建物の外壁をゴツくあしらった要塞のような感じでしたが、こちらはバルコニーの外部分をアルミで組み上げた吹き通しの良い装いになっており、ほぼ近い敷地同士ながらも外観の扱いは対照的な感じを受けます.
0175:大成閣 入口部分の様子①

0175:大成閣 入口部分の様子②

0175:大成閣 入口部分の様子③

こちらは通りから見た入り口の様子を掲載. 建物としては6階建てですが、ファサードのある4階から上のフロアはセットバックしているため見えません. 二対一となって地上に落ちるファサードの柱(写真1・2枚目)が、1階部分だけ銀色になって下りているのがかなり気になっています. 白・銀といった明るい系の色彩がベースとなっているので、これに中華料亭らしい赤色の提灯?がよく目立ちます. 何をヒントとしてこのデザインへと至ったのか、個人的には非常に気になります.

外観のみ紹介のため今回はここまでで. 本格中華料理店のため価格帯は少々お高い感じを受けますが、個人的にはランチタイムを狙って今度は探訪したいですね. 商業街という心斎橋の背景からも、ハレの商店ファサードのイメージを感じさせるもので、浪花組とぜひセットで訪れたい村野建築です. ではでは今回はここまで〜


関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

非公開コメント

プロフィール

的野 峻一(MATŌ)

Author:的野 峻一(MATŌ)
『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介しています. 詳しい活動内容はエントランスページよりご確認ください.

風景写真・デザイン活動のページ

インフォメーション

【2023.1.22】 「鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ」の「21.山梨県【中部】」を公開しました.

写真使用依頼等はページ上部のメールフォームにて受け付けております.(※返信は遅めです. 当日中の返信はあまりできません. 申し訳ありません.)

紹介する建築スポットの情報は、原則的に投稿日時点の情報になります. 現在と比較して古い情報や記事内の誤字・脱字等がありました場合は、該当記事内の各コメント欄またはメールフォームでご意見いただけますと幸いです.

活動実績(写真提供・寄稿等)

◆『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました. 『近代建築』バックナンバー

◆『トラベル.jp たびねす(現:トラベルjp 旅行ガイド)』のライターとして、以下の建築スポットガイド記事を寄稿しました.【2016〜2018年在籍】

・大阪狭山野池美術館リンク
・松柏美術館リンク
・みんなの森 ぎふメディアコスモスリンク
・秋野不矩美術館リンク
・植村直己冒険館リンク
・南方熊楠記念館リンク
・中谷宇吉郎雪の科学館リンク
・生きた建築ミュージアム【2017】リンク

最新記事

日本全国 JR特急路線図
松江建築マップ
鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ
弘前建築マップ
芦屋市民センター
大阪中之島美術館

スポンサーリンク

Twitter

Facebook

スポンサーリンク