2016/11/12




それではまず建物の外観から. 雑居ビルが密集した東心斎橋の狭い道沿いに建つこのビルは、安藤建築らしくファサードのほぼ全面が打ち放し. 遠目から見ると街並みに隠れるように平坦で、近くで見ると巨大な岩のように異質な存在感を放っています. 間口は8mと雑居ビルとしては狭い印象ですが、スリットのように開けられた狭い入口(写真4枚目)を覗くと、かなりの奥行きがあるのがわかります.





では建物内へ. 狭い印象に感じさせる外観とは裏腹に、内部のメインとなる吹き抜けスペースは地階から5階フロア天井までがごっそり抜かれた広々とした空間. 天井のトップライトから光が落ち込んでいるため、オクに対する陰湿なイメージはあまり感じられません. オクの魅せ方が上手いな〜と感じます. 狭い入口を抜けると、扇型状に吹き抜けの内部空間が広がっていく構成は、この翌年に竣工した東京青山の「コレッツィオーネ」でもみることができます.
写真に掲載しているのは吹き抜けとなった平面を表現したロゴマーク(写真3枚目)や地下フロアの様子(写真4・5枚目)など. 竣工は1988年と、商業施設や教会などをメインに手掛けていた最中の作品で、同年には「水の教会」が竣工しています. 名称となっている『GARELLIA』イタリア語でガラス屋根のある歩行者空間、『akka』はHのイタリア語読みだそうです. ビルオーナーは数年前に引退した大物司会者らしいのですが、引退後も所有権は続いているのでしょうかね.






こちらは地上から最上階まで歩いた中で撮影したものを掲載しています. 基本的なフロアの行き来が階段というのは年配の方にはキツイですが、カーブした壁の外側に取り付けられた連続階段(写真1・3枚目)を上り下りするのは結構楽しいです. こういう階段ってありそうでなかなかないものですね. 4階に到着すると、その奥には5階への階段(写真5枚目)があるのですが、残念ながら倉庫扱いでした. 奥の開口からは何が見えるのか気になるところです.
今回はここまでとなります. 最後に紹介したいのが写真6枚目のサイン. キツそうな段差の階段の先に立っているのが、杖をついたお爺さんというのはわざとなのか偶然なのか、ただ安藤氏なら全力で上ってくださいと言いかねないような、そんなシュールさが感じられるサインです. 一応エレベーターはあった気がするのですが…今度来た際にでも確認してみます. ではでは今回はここまで〜
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