



掲載している写真は、諸事情によりイケフェス前のものを載せています. 遠目から見ると、両脇を細長い現代ビルで挟まれたちょっと色あせた感じのビルという印象. このビルの顔を特徴づけるのが、中央にビッシリと配されたガラスブロックと、各階の両脇に設けられたコンパクトなベランダ. ガラスとベランダという縦のライン、水平連続窓とガラスブロックという横のラインのバランスが見事に組み合わさった、この絶妙なプロポーションのファサードにグッときます.
1953年に竣工したこちらのビル. 村野氏の作品としては
「丸栄百貨店」が同年に完成しています. ビルの名の由来ともなっている『フジカワ画廊』は、洋画商の第一人者とも称される美術商 美津島徳蔵氏によって1947年に設立. 美術館と比較すれば小規模ながらも、様々な展覧会を実施してきたそうです. 私はてっきりフジカワさんが設立したとばっかり思ってました. かつて1階にあったギャラリーは現在3階に移動し、楽器店である『丸一商店』が新しく入居しています.





今度は手前まで近づいて撮影したものをいくつか掲載. バルコニーの手摺
(写真2枚目)は、単体としてもレリーフ作品になりそうな造形をした絶巧なデザイン. 奥の壁面は緑のタイル貼りです. 1階両脇の壁面には緑がかった大理石が設えられており、よく目を凝らして見ると茶色でフジカワ画廊のマークがデザインされています
(写真5枚目 中央). そういえば丸栄百貨店の1階にも、これに似た大理石が設えられていた気がします.
ビル内部は残念ながら撮影禁止. しかしギャラリーが入るため、一般的な事務所ビルと違ってオープンな感じです. 『丸一商店』が入居した1階ギャラリーは2層吹き抜けの広々とした空間になっており、村野デザインのソファや後年に設置された美しいカーブを描く螺旋階段など見所たくさん. フジカワ画廊のある3階ギャラリーからは、ガラスブロック越しに見える堺筋の景色を堪能できました. シンプルだけど奥の深い村野建築にぜひ. では今回はここまで〜
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