Cyclestation米原 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

Cyclestation米原

           
0204:Cyclestation米原 メイン

0204 - Cyclestation米原(米原駅西口駐輪場)
竣工:1994年
設計:遠藤秀平
住所:滋賀県米原市米原西4

皆様どうも. 12月特集の都道府県2県目は「MIHO MUSEUM」以来となる滋賀県から. 今回は滋賀県唯一の新幹線駅である米原駅の西口駐輪場 Cyclestation米原の探訪記をお送りしていきます. 設計は数多くの鋼板建築を手掛けてきた遠藤秀平氏で、米原のこちらは最初期の作品となります.
0204:Cyclestation米原 米原駅西口

0204:Cyclestation米原 西側外観①

0204:Cyclestation米原 西側外観②

0204:Cyclestation米原 北側外観①

0204:Cyclestation米原 北側外観②

駐輪場があるのはJR米原駅西口のすぐ北隣です(写真1枚目 左奥). 旧くは中山道と北陸道の分岐点として宿が設けられ、現代でもJR東海と西日本の境界駅として多くの人が乗り換えに利用する米原駅ですが、駅周辺は意外にも閑散としています. 新幹線駅のため、数分ごとに通過するのぞみの猛スピード音が轟々と鳴り響いている状況で、そんな音よりも賑わいの音が欲しいと感じたほどです.

南側で壁となり、大きく湾曲して屋根となる大型のコルゲート鋼板がこの建物最大のポイント. 美しく湾曲する鋼板がダイナミックに駐輪場を覆う光景は、なんとも見事です. 駐輪場の西隣が駐車場になっているため、湾曲して屋根になる様子が見られるのもナイス. 既に竣工から20年以上が経過しているものの、目立つ程の錆や汚れは確認できないため、綺麗にメンテナンスが保たれている感じです.
0204:Cyclestation米原 入口①

0204:Cyclestation米原 入口②

0204:Cyclestation米原 係員所

0204:Cyclestation米原 階段

0204:Cyclestation米原 2階の通路

こちらは入口となる東側の様子で、螺旋階段や係員詰所のようなスペースが設けられています. 詰所は船の船首のような鋭いフォルムに丸窓を設けたユニークなもので、窓脇に小さい植栽があるのが可愛らしいです(写真3枚目). 螺旋階段は斜めに刺さった支柱に沿って階段をのぼるという奇抜なもので、2階フロアへと廊下が繋がっています. 階段は上になるほど斜め支柱が寄ってくるので、結構狭く感じながら昇り降りしてました.
0204:Cyclestation米原 内部の様子①

0204:Cyclestation米原 内部の様子②

0204:Cyclestation米原 内部の様子③

0204:Cyclestation米原 内部の様子④

0204:Cyclestation米原 内部の様子⑤

それでは屋根下の駐輪スペースへ. 駐輪場は地上2階建て、柱に柱頭キャピタル(写真2枚目)を設けたフラットスラブ構造で支えられています. 鋼板が湾曲する様子は内側から見ても綺麗です. 緩やかなカーブのあるスロープ(写真3枚目)を経て2階フロアへ行くと、鉄骨トラスに支持された鋼板の屋根下を見ることができます. 新幹線のホームが見えるのもイイところ. ただ開放感がありすぎるため、強い横殴りの雨とかになると屋根の機能は期待できなさそうです.

遠藤氏の初期の代表作ということで前々から気になっており、18きっぷの途中下車として訪問したわけですが、小さいなからもなかなかのインパクトがある駐輪場でした. 70年代頃に川合健二氏の「ドラムカンの家」や石山修武氏の「幻庵」などでコルゲート鋼板建築の萌芽はあったわけですが、このスタイルをシリーズとして展開していく遠藤氏もなかなかのお方だと思います. 米原駅から徒歩数十秒の場所にある鋼板建築にぜひ、では今回はここまで〜


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