



こちらでは向かい側の道路から撮影したものを. パッと見た感じでは戦後に完成した雑居ビルのような印象を受けますが、竣工は1937年と戦前の近代建築で、近くに建つ
「関西電力京都支店」と同年の完成です. 日当たり具合も綺麗に反射させるテカテカの藍色タイルに覆われたビルは、交差点に向かって大きく展開するアールが特徴. 最上階の窓だけが丸柱の連続するデザインになっており、最上階だけ窓の構成を変えるガスビルの構成に似たものを感じます.
当初は野村生命ビルとして完成したわけですが、戦後は東京生命の支店や某警備会社がメインとして入る雑居ビルとして使われ、現在は化粧品メーカーがメインテナントとして入っています. 装飾性のないモダニズムな佇まいですが、竣工当時は黄緑色という、なかなか目にしない色合いのタイルがビッシリと貼られていたそうです. 自由様式で知られる安井氏ですが、色の扱いも自由だったんですね〜.




こちらではもう少し近くから撮影したものを. 1階の基底部はグレーの御影石で層を意識させる構成に見えますが、白い枠線
(写真1枚目)で分断されて若干不完全なものになっているのが惜しい. ビル内には美術館もあったので入ろうかと思いましたが、時間の都合で断念. ビルのすぐ北は東本願寺の境内になるため、最上階からの景色は見事だろうな〜と思いながらビルを後にしました.
短いですが今回はここまでです. 戦後の雑居ビルの佇まいにみえますが、これでも今年で築80年の近代ビル建築. 当時の面影を残すのはビルのフォルムぐらいですが、数少ない安井建築として残っていくでしょう. ではでは今回はここまで〜
- 関連記事
-
コメント