





写真1枚目は烏丸通から撮影した様子を. 平安京時代の条坊制においては『烏丸小路』という小路の立ち位置だった烏丸通は、大正期に京都駅から御所へ天皇陛下が向かうための『行幸道路』として大通りに拡張され、銀行やオフィスが並ぶメインストリートに発展しました. 昔から残る銀行の一つとして建つこの辰野建築ですが、初めは
山口銀行京都支店として建造され、後に北國銀行へ. 現在は銀行の役目を終え『DEAN&DELUCA』というカフェとして利用されています.
「JR東京駅舎」や
「大阪市中央公会堂」といった大きい辰野建築に見慣れていると、辰野作品としてはいささか意外に感じてしまう小振りなボリューム. 全盛期の辰野式のような赤と白の横ストライプは1階部分だけにとどまり、白が垂直も強調しているのがポイント. 辰野式フリークラシックながら、装飾は長方形・菱形で大きく簡略化されセセッションの要素が強く表れているように感じます. この作風は東京駅舎完成後の後期作に比較的多く見られるものです.





烏丸通側に設けられた入口
(写真1・2枚目)は、セセッション風になっても力のあるデザイン. ウェーブする両脇の付け柱がいいですね. 建物北側となる蛸薬師通側からは、旧勝手口らしき扉跡
(写真3枚目)や幅が一段と狭くなった窓
(写真4枚目)を確認. リズム感のある外観に、この奥側のスパンの不均一さはかなり気になります. そして奥にある扉
(写真5枚目)がかなり大きい. 日常的に使っているであろう小扉が非常に小さくみえます. 機材の出し入れを想定してこうなったのでしょうかね.
内部は見学目的での撮影はご遠慮ということで断念. 内部はかなりリノベーションされ、白一色にカラーリングされた大空間になっていました. 元の銀行要素として残るのは内部の円柱くらいでしょうか、元々銀行空間としてどうなっていたのかが不明なので判断しにくいです. 高層ビルが立ち並ぶ烏丸通に残る小さな辰野建築、地下鉄駅からも近いのでカフェを兼ねて訪問する価値十分ですのでぜひ一度. それでは今回はここまで〜
- 関連記事
-
コメント