




こちらは三条通から見た銀行正面の外観. 外観はロマネスク風で、円や四角といった簡略的な記号を駆使するセセッション様式になっているのが特徴. RC造のような印象ですが1階は煉瓦造、2・3階は木骨煉瓦造です. 上の階には白タイルが使用されており、石張りの多い当時の銀行建築の中では全体的に白さが目立ちます. 屋根中央に飾られたメダリオン
(写真4枚目)がとてもカッコいい. 入口
(写真5枚目)は石張り壁にカボッとシンプルに開けられた、装飾とは異なる力強さがあります.
りそな銀行の前身の一つである『不動貯金銀行』は明治後期から昭和中期まで存在し、この設計を担当した『日本建築株式会社』は当銀行の店舗営繕を手掛ける設計事務所でした. 銀行撤退後の1988年に当初の銀行の外観を残しながらのリノベーション工事が実施され、『SACRAビル』として京都における近代建築の商用活用の走りとなりました. 1997年には国指定登録有形文化財に指定され、三条通の代表的レトロ建築の一つとして親しまれています.





こちらは富小路通に向いた東側ファサード. 正方形をキーストーンとした窓の並び
(写真1枚目)がセセッションらしくてナイス. 建物のすぐ北隣には、この施設の別棟にあたる「SACRA ANNEX」
(写真2枚目から)があり、入口
(写真4枚目から)や列柱には旧銀行1階部分の石のデザインパターンが反映されています. 本館とアネックスは増築としては繋がっておらず
(写真5枚目から)、本館は近代建築としてほとんどいじらず丁寧に活用していることが伺えます.





それでは館内へ. 入口からの眺め
(写真1枚目)は完全に新しめのテナントビルという雰囲気なのですが、この廊下を超えて石仕上げの階段を昇っていくと、途中からレトロな雰囲気満載の木製階段
(写真2〜4枚目)に変わっていきます. 歩きながらギイギイと音を立てて軋(きし)む感じはどこか懐かしさを感じさせる. 間違いなく銀行時代からのものでしょう. 装飾のある手摺のデザイン
(写真3枚目)もいいですね.
写真4・5枚目は階段すぐの共用部の様子ですが、レトロ建物らしく天井が非常に高く開放感があります. 各店舗への入口の木枠や小窓にも一工夫あって、テナントビルとレトロな雰囲気が絶妙にマッチしています. 店舗は主にレディース向けの雑貨やファッション店舗が多い感じですが、個人的にはこの木造階段の雰囲気を楽しむだけでも訪問価値ありです. 三条通を歩く場合は是非ご来訪下さい. ではでは今回はここまで〜
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