





こちらは神戸港湾に展開する『メリケンパーク』の様子です. メリケンはアメリカンの原音発言らしく、米国領事館のすぐ近くに建設された『メリケン波止場(兵庫港第3波止場)』が現在の公園の名前に引き継がれています. 公園の東岸にはの阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた旧波止場の状態が保存された「神戸港震災メモリアルパーク」
(写真3枚目)、中央には船を模したような三次元鉄骨が見事な「神戸海洋博物館
(設計:神戸市港湾整備局)」
(写真4枚目)が建っています.
海洋博物館の奥に見えているのが、神戸港を代表するランドマークであるポートタワーです. 高さは108mで、中央が細くなるようにデザインされた鼓(つづみ)型のタワー構造物は国内でもここだけ. 鼓型というと今では金沢駅の「鼓門」が有名だったりと、今でも十分に通用するデザインながら、これでも50年以上前のデザインというのに驚きです. 形成する細い鋼管パイプは赤色にカラーリングされているのですが、この位置だと逆光のせいで暗くなっています.






逆光だと微妙な感じだったので、西側に回り込んで撮影. ポートタワーといえば、やっぱりこの鮮やかな赤一色のカラーリングです. 1963年に竣工したポートタワー(当時は103m)は、1981年に「神戸ポートピアホテル(高さ111m)」が完成するまで、ビルも含めて兵庫県で最も高い建物でした
(wiki調べ). メリケンパークは完成していないため、当時は『中突堤』という埠頭の上に建っていました.
タワーの設計は日建設計ですが、こちらは1970年に商号変更する前となる日建設計工務時代の作品です. 細いチューブ状の鋼管パイプによるタワー構造物は当時として世界初. エレベーター等の機能が入る円柱の外側に、赤色鋼管パイプの外筒が外皮として覆う構成で、
「京都タワー」でも触れた中間障害標識は『外筒は赤、それ以外は白』ということでクリアしたようです. 竣工年には建築学会賞を受賞し、2014年には国指定の登録有形文化財に指定されています.






それではタワー入口から展望台まで一気に紹介です. タワーは地上部3フロア・展望部5フロアの8層構成で、展望部へは料金大人700円が必要です. 構造の都合から、地上部も含めた全フロアが円状にグルグルと周回できます. エレベーターに乗って上まで登ると、そこは神戸港から六甲の山々までを見渡せる絶景ビューが楽しめます. 写真4枚目に写る展望4階の内装は当時からの雰囲気を残していますが、最上階は黒一色という今風のシックなカラーに改修されています.
展望部の最下層となる展望1階「スカイウォーク」には、人が近づくとガラスの曇りがなくなる床
(写真6枚目)が設置されており、地上75mからのスリリングな景色を味わえます. 展望3階は喫茶フロアになっているので、カフェが好きな方はこちらもオススメです. 2009年末の大規模改修で今風なリニューアルも行われましたが、竣工当時からの昭和の雰囲気も残っているのがよかったです.
今回はここまでとなります. デザインも眺めも素晴らしい神戸港のランドマークなわけですが、個人的に驚いたのは現代でも十分通じるこのデザインタワーが既に文化財化しちゃってることです. 「東京タワー」とかならまだ理解できますが、このタワーが文化財となる時代
(文化財は築50年以上)に突入したんですね〜. 時代は早い. 神戸に来たら一度は上っておきたい展望タワーです. では今回はここまで〜
◆ このスポットに関連する建築マップ
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神戸建築マップ(神戸港編) - 神戸港周辺をメインとした建築マップ
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