2017/03/08






最初は駅の顔にもなっている北出口(方位的には西)の外観を掲載しながら、駅の概要を軽くご説明. 神戸駅は日本初の官営鉄道(新橋〜横浜間)に次ぐ2番目の路線として大阪〜神戸間に開通した日本で2番目に開通した官設鉄道の終点駅です. かつての神戸のターミナル駅といわれれば当駅であり、その名残は東京からのびるJR東海道本線の終点駅という扱いで引き継がれています. しかし三ノ宮駅周辺の発展に伴って、ターミナル駅としての機能はそちら側に移りました.
駅舎は中央にステンドグラスの時計台が設けられた、威厳あるレトロモダンな外観. 三ノ宮駅から数駅離れた駅が、こんなに素晴らしい駅舎だったとはビックリです. 上部のコーニスのコーナーまわし(写真3枚目)や当時からのスクラッチタイル(写真6枚目)も実にモダン. 設計は「旧JR奈良駅舎」の設計にも携わった大阪鉄道管理局の柴田四郎氏. 鉄道省主導のコンクリート駅舎の黎明期作として現存する数少ない駅舎で、経済産業省の近代化産業遺産にも指定されています.





では北口からコンコースへと入っていきます. 大きなガラスと時計台が特徴的だったスペースは2フロア吹き抜けの開放感ある空間になっており、夕方頃のいい感じの日差し(写真2枚目)が館内に差し込んでいました. ラッパ型の黒い柱頭(写真3枚目)には植物モチーフの豪華な装飾が施され、2階部分のアールデコ調の手摺(写真4枚目)や幾何学チックな装飾(写真5枚目)など、かつて神戸市街地の中心駅として栄えた当時の威厳あるデザインが残されています.




こちらは改札付近の様子. どうやら自由通路内の柱は工事中ですが、改札近くの柱(写真2・3枚目)は当時のままの状態で残っています. 柱頭は先ほど見たものと大きく変わりませんが、下部分の植物装飾が省かれています. 南口上部のガラス部分には植物模様のステンドグラス(写真4枚目)がはめ込まれているのもポイントです. 神戸駅には皇室専用の「貴賓室」が現在も残されているようで、調べてみるとお寿司屋さんの店内にあるとのことです.





コンコースを抜けて、反対の南出口にでてきました. こちらは先ほどのような時計台はなく、手前に地下街への出入口があるため外観のビューはあまりよくありません. 個人的な見どころは入口手前に大きく張り出したキャノピー(写真3・4枚目)で、屋根に埋め込まれた明り取り用のブロックガラスがユニークでした. そういえば南出口なのに方角的には東なんて変だな〜と思っていたのですが、一説としては『山は北、海は南』という神戸の土地勘を反映した結果だそうです.
かつてのターミナル駅としての名残を現在に残すレトロモダンな神戸駅は、JR三ノ宮駅からわずか2駅. 新快速も停車しますので、まだアクセスはしやすい方です. 次回の「JR兵庫駅舎」で、神戸特集はフィニッシュとなります.
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・ 神戸建築マップ(神戸港編) - 神戸港周辺をメインとした建築マップ
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