尾道市立美術館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

尾道市立美術館

           
0024:尾道市立美術館 メイン

0024 - 尾道市立美術館
竣工:2003年(新館) 1980年(本館)
設計:安藤忠雄(新館)
住所:広島県尾道市西土堂町17-19

皆様どうも. 今回は広島県の東部にある尾道から尾道市立美術館のご紹介です. 尾道は本州と四国を結ぶ日本最長のサイクリングロード『しまなみ海道』の本州側の玄関口でもあり、かつて志賀直哉が居住した地であることから『文学の街』とも称されています. 新幹線の最寄り駅は新尾道ですが、中心部からは北に離れておりますので注意が必要です.

美術館の発端は1980年、元々NHK尾道放送局だった跡地に開館しました. 同じく尾道市にある国宝 西郷寺をイメージした本瓦寄棟造という寺院建築の外観をもつ本館と、安藤忠雄氏によって2003年に本館北側に増築された新館の2棟で構成されています. 普段は尾道ゆかりの画家・現代デザイナーなどの展示が中心みたいです. 中国地方の安藤建築って非常にレアだと思います. それではいってみましょう.
0024:尾道市立美術館 新館外観

0024:尾道市立美術館 玄関

0024:尾道市立美術館 本館外観

千光寺山の頂上『千光寺公園』の付近に建つため、歩いて訪問する場合は険しい山道を登ることになります. 無理せず行く場合はロープウェーを使うことをお奨めします. 駅から数分歩くとカーテンウォールが全面に展開された新館が目の前に現れます. 寺院や文学に縁のある古い町並みが多いため、RC打ち放しとガラス全開の建物をみると景観的にはどうかと思う部分もあります. 手前が公園なのでボール防止のためでしょうか、2〜3m級のコンクリート塀があるので、カーテンウォールの魅力が中途半端になってる気がしてなりません.

新館の外観は普通に見れますが、本館は奥に隠れてしまうため少し南に歩かないと見えません. 屋根は反りのある美しい寄棟に仕上がっています. よく見ると2階部分の一部壁面が総ガラス張りになっている場所がありますが、この理由は後ほど説明します.
0024:尾道市立美術館 内観①

0024:尾道市立美術館 内観②

0024:尾道市立美術館 内観③

0024:尾道市立美術館 新館のRC壁に旧館の影が映る

内部は展示室以外撮影OKだったのでざっと掲載. 展示室は新館→本館という感じで展示室を跨ぎながら歩いていくというアプローチとなっています. 展示室の間にある休憩スペースはザ・安藤建築なコンクリートとガラスウォール全面推しの空間で、アルネ・ヤコブセンやエーロ・サーリネンなど、数々の名作デザインチェアーが置かれています. RCは寒々しい印象を受けますが、本館屋根が新館の壁に投影されている光景には「おおっ!」とさせられました.
0024:尾道市立美術館 ビューテラス①

0024:尾道市立美術館 ビューテラス②

私の一押しが尾道の市街地から瀬戸内海までを一望できるテラスルームで、尾道水道を跨ぐ渡船の光景や西瀬戸大橋、尾道市外や対岸の向島の市街地まで一望できます. 先程外観で申し上げた、本館の一部がガラス張りになっているスペースがこの部屋になります. 快晴の場合だと四国本土まで見えるみたいなので、天候を狙って行くといいかもしれません.

今回は尾道にある安藤建築でした. もちろん美術館だけではなく、文豪ゆかりの居宅や坂のある市街地など文化・景観スポットが色々とありますので、そちらとセットで尾道の芸術に浸りながら市街地・瀬戸内海を一望してみるのもイイとおもいます. というわけで今回はここまで〜


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