ONOMICHI U2 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

ONOMICHI U2

           
0025:ONOMICHI U2 メイン

0025 - ONOMICHI U2
竣工:2014年
設計:谷尻誠 / SUPPOSE DESIGN OFFICE
住所:広島県尾道市西御所町5-11

皆様どうも. 前回の尾道から連続してもう一件、 尾道市立美術館は山の頂上でしたが今回の建築は海岸沿いにあります. 尾道を本州側の起点とするしまなみ海道はCNN選定の『世界で最も素晴らしいサイクリングルート8選』にも選ばれ、世界中のサイクリストの注目を集める聖地の一つとなっています. そのスタートラインである尾道でサイクリストが集結する拠点施設となっているのが、2014年に開館した複合商業施設 ONOMICHI U2です.

JR尾道駅を降りて尾道水道沿いに西に5分ほど歩くと倉庫らしい建物が見えてきます. 一件普通の倉庫かと思いきや入口の扉を見ると目印となる『U2』の文字が…実はこの建物は『県営上屋(うわや)2号』という戦時中に建造された海運倉庫だった建物を、複合商業施設に用途変換したコンバージョン建築なのです. 尾道の観光スポットとしても注目されつつあるこの建築に実際に行ってきました.
0025:ONOMICHI U2 外観①

0025:ONOMICHI U2 外観②

0025:ONOMICHI U2 ボードウォーク

先程も述べた通り倉庫を再利用しているため、商業施設といわれても目を疑ってしまいますね. 主な変更は、壁面のサインや『U2』の照明看板部分ぐらいだと思います. そして水道に面した南側には8mは幅のあるボードウォークとなっており、庇のあるカフェスペースがありました. 私自身は確認できなかったのですが、ここに面したカフェにはドライブスルーならぬ『サイクルスルー』ができるカウンターがあるということです. なにそれすごい…

設計を手掛けたのは谷尻誠(たにじり まこと)氏、広島を拠点として活動されている建築家です. といっても建築に限らずインテリアデザインや家具、アートプロジェクトなどでも活動をしており、40代前半の中では頭一つ飛び抜けた作品を設計する注目度の高い建築家です. 建築としては主に個人住居の設計が多いため、公共建築作品があまりありませんが「今治のオフィス」や「Cafe La Miell」などの作品を手掛けてもいます.
0025:ONOMICHI U2 内観①

0025:ONOMICHI U2 内観②

0025:ONOMICHI U2 ホテルスペース

そして館内へ突入です. 一言で感想を述べるのであれば…すごい! 倉庫というよりはスケールの異なった店舗のひしめく一つのまちのようです. サイクルショップ、BAR、レストラン、ベーカリー、物販店と…大型ショッピングセンターの様相とはひと味違った個性のある店舗が並ぶのも魅力です. 元が倉庫なので天井高が5m超と高く、倉庫の奥まで見渡せる部分が「広い」という空間的な余裕を感じさせます.

そして尾道を訪問するサイクリストの注目を集めるのが、西端にあるホテル『HOTEL CYCLE』です. このホテル最大の特徴は自転車持ち込みOKというサイクリストには嬉しいホテルであるということ. 写真を見てもわかる通り通常のホテルのような玄関はなく、私はこれがホテルと気づかずにフラーっと入りそうになりました. 黒を基調としたモダンシックなデザインが施されたホテルということで、しまなみ海道を旅行するときはぜひ泊まってみたいです.
0025:ONOMICHI U2 倉庫時代の名残

そして最後にもう一つ、先程から幾度も述べていますが、元が倉庫なので倉庫時代の名残が沢山あります. 一つ気になっていたのが既存の柱部分に描かれた丸の中に『力』と描かれたこのマーク、誰か意味を知っている人いますかね. 解る人教えてくださ〜い!

というわけで2回にわたって尾道の建築を紹介しました. いよいよ12月と年末シーズンですが、それと同時に急激に寒くなった感じがしますね. 私もそんな寒いコンディションに負けずにカメラ片手に建築を渡り歩いていきますので、応援よろしくお願いします. それでは今回はここまで〜


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