2017/04/30





市民会館は「旧豊岡町役場」や「豊岡1925」のある市の中心部から少し西に離れており、駅からは徒歩20分程度の時間を要します. 途中には『カバンストリート』として有名な宵田商店街があるので、巡りながら進むといいでしょう. 道路の奥に見えてくる真っ白な建物(写真1枚目)が見えてくれば、それが市民会館. 所々が打ち放しコンクリで豪快に仕上げられた力強いデザインにグッときます.






1972年に竣工した建物は「鳴門市庁舎・市民会館」や「京都大学総合体育館」を手掛けたことでも知られる増田友也氏率いた京都大学増田研究室の設計です. 京都や瀬戸内に作品を数多く残す増田研ですが、山陰での作品はこの市民会館ぐらいのものだと思います. 2014年に耐震化を兼ねた大規模リニューアル工事を行っており、外壁はピカピカの状態になっていました. ホール外壁には豊岡のシンボル・コウノトリのレリーフ(トップ写真)が掲げられています.





建物として際立つのはホワイトの外壁ですが、この建築のミソは造形力豊かな打ち放しでしょう. 増田氏はコルビュジエを神様のように慕っていたようで、わずかに見えるカラフルな窓(前セクションの写真4枚目)や、奥行きの深い庇にリズミカルな窓割が並ぶ様子(写真2枚目)は、コルビュジエの影響を受けたものと思われます. 打ち放しとホワイトの組み合わせはロンシャン教会に近い雰囲気ですが、形態的にはハコの組み合わせによる現代モダニズムなのがある種独特です.
内部は撮影ご遠慮ということでしたが、コルビュジエ譲りの窓割によって大きく開口が開けられた玄関ホール(写真4・5枚目はその開口を外側から撮影)はなかなかにカッコよかったです. 『西の増田研』が手掛けた豊岡のモダニズム建築へ、豊岡の復興レトロ建築巡りとセットで見学することをお薦めします.
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