金沢文芸館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

金沢文芸館

           
0275:金沢文芸館 メイン

0275 - 金沢文芸館(旧高岡銀行橋場支店)
竣工:1929年(竣工) / 2005年(改修)
設計:清水組(竣工) / 浦建築研究所(改修)
住所:石川県金沢市尾張町1-7-10

皆様どうも. 金沢中心部特集2017の4件目でご紹介するのは、金沢城から北東に離れた交差点角に建つ金沢文芸館です. こちらも前回の「尾張町町民文化館」と同様に旧銀行を活用した建物で、現在は金沢の文芸活動の発信施設にコンバージョンされながら活用されているレトロ建築です. では早速まいりましょう.
0275:金沢文芸館 橋場交差点より①

0275:金沢文芸館 橋場交差点より②

0275:金沢文芸館 橋場交差点より③

0275:金沢文芸館 橋場交差点より④

文芸館の建つ橋場交差点は、金沢城周辺を一周する百万石通りの北東端に位置する交差点. ここから国道沿いに北へ歩けば、かの有名な『ひがし茶屋街』等にも短時間で移動できます. RC造3階建ての外観は石張りの西洋風で、全体的に装飾が簡略化された近代モダニズムな佇まいです. しかしそれ以上にユニークなのが形. 歩道に沿ってカクンとカーブし、北側(写真4枚目)にも大きい曲面壁が目立ちます. 重厚な素材感とは裏腹に、全体的に丸みを帯びた柔和な印象を与えています.

建物は現・北陸銀行の前身『高岡銀行』の支店として、清水組(現在の清水建設)の設計施工のもとで1929年に竣工. 当時は橋場交差点のランドマークとして親しまれたそうな. その後は加州相互銀行・石川銀行と機関を変えながら、石川銀行が経営破綻する2001年まで銀行支店として使われました. 破綻後は金沢市に譲渡され、改修工事を経た2005年から現在の文芸資料館として利用されています.
0275:金沢文芸館 入口より①

0275:金沢文芸館 入口より②

0275:金沢文芸館 外観拡大①

0275:金沢文芸館 外観拡大②

0275:金沢文芸館 惣構堀

こちらでは手前歩道から外観を見ていきます. 玄関の両脇には奥行きの浅いイオニアオーダーの付柱(写真1枚目)があります. 建物のやや上らへんにコーニス(胴蛇腹)を巻いて2層構成とし、下層に5つ設けられた細長アーチが外観のアクセントになっています. 戦前の銀行でも角地だけを曲線にした建築はいくつか知っていますが、ここまでカーブを複合させた建物は全国探しても少ないと思います. 建物の北には、かつての金沢城の内堀『東内惣構堀』(写真5枚目)が流れていました.
0275:金沢文芸館 1階交流サロン①

0275:金沢文芸館 1階交流サロン②

0275:金沢文芸館 1階交流サロン③

0275:金沢文芸館 3階文芸フロア①

0275:金沢文芸館 3階文芸フロア②

それでは館内へ. 入館料は100円(高校生以上無料)で、職員の方から1階と3階の写真掲載のお許しをいただいています(有料につき写真はロゴ付与). 館内は金沢に本社を置く組織設計『浦建築研究所』により大きく改修されており、銀行の面影らしき意匠を見つけることは出来ませんでした. スタッフの方に元々は4階建てで、改修によって3階建てにしたというお話も伺いましたが、これは改修前がどうなっていたのかが非常に気になるところです.

1階は「交流サロン」(写真3枚目まで)、2階には『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞を受賞した小説家・五木寛之(いつき ひろゆき)氏の作品等を所蔵する「五木寛之文庫」、3階は「文芸フロア」(写真4・5枚目)となっていて、各フロアをエレベータで行き来しながら観覧しました. 徳田秋聲・泉鏡花・室生犀星という『三文豪』に代表される金沢の文芸文化、興味深く拝見させていただきました.

ユニークな洋風外観を残し、文芸の拠点として活用される戦前の銀行建築. 同様に文芸の展示を行うレトロ建築スポットとして「石川四高記念文化交流館(石川近代文学館)」がありますが、そちらも追々ご紹介する予定です. では.


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