2017/10/31





スタートはJR北陸本線の武生駅(写真1枚目)から. 大阪からは新快速を乗り継いで3〜4時間ほど. 奈良時代から『越前国』の国府が置かれ、1300年前から都として栄えた街・武生. 全国屈指の和紙(越前和紙)の産地でもあるここは2005年まで『武生市』の中心でしたが、現在は合併により『越前市』の中心市街地となります. 駅前通りすぐに立つ「越前市庁舎」(写真2・3枚目)は日建設計工務が手がけたモダニズム庁舎ですが、残念ながら建て替えが決まっています.
公会堂記念館は駅から南西に徒歩2分ほどの場所に建つ、ベージュ色の高い塔屋(写真4枚目 中央部分)が目印の建物です. この施設の前身である『武生町公会堂』は昭和天皇の御大典(即位)を記念し、同市における昭和初期の本格的鉄筋コンクリート造として1929年に竣工しました. 1995年に保存・改修工事を経て現在の記念館へ、2005年には国の登録有形文化財に指定された武生を代表する近代建築です.







建物は全体的に装飾控えめな近代モダニズムの外観で、随所に4本セットになった付柱(ピラスター)が取り付けられ垂直性が強調されています. 武生のランドマークとして親しまれた4階建て塔屋(写真2枚目)ですが、1950年には消防監視所として6階が上に増築されていたようで、近年の工事で増築部が解体されて竣工時の状態に戻りました. 玄関扉や脇の丸窓(写真4枚目以降)にはアール・ヌーヴォーを意識したような曲線美溢れる装飾が施されており、気合の入った玄関になっています.






一時期は町役場等にも用いられた館内は、現在3つの展示室をもつ博物館施設として活用. 入館は基本的に無料(企画展有料の場合あり)です. かつて公会堂のホワイエであったと思われるエントランス(写真1枚目)は、漆喰の柱頭装飾(写真2枚目)が見事. 外から見えた塔屋は階段室(写真3枚目)となっており、2階へと上がることができます. 一室に再現された「貴賓室」では、中央部だけが上に飛び出したユニークな三連窓(写真6枚目)を見ることができました.
公会堂の役目を終えながらも、記念館として活用される武生の近代建築. 駅近で気軽に行けますので、興味が湧きましたらぜひ一度ご来訪下さい.
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