熊野古道なかへち美術館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

熊野古道なかへち美術館

           
0285:熊野古道なかへち美術館 メイン

0285:熊野古道なかへち美術館
竣工:1997年
設計:SANAA
住所:和歌山県田辺市中辺路町近露891

皆様どうも、ついに2017年大晦日となりました. 皆様にとって2017年はどんな年になりましたでしょうか. 私の方は諸事情により更新が全くない月が発生したりと、ブログ活動が滞りやすかった1年であったように思います. 皆様には多大なるご心配をおかけしました. あまり長期の空きがでないように活動を続けていきたいとは思いますので、来年も何卒よろしくお願い申し上げます.

さて今年最後の建築スポット紹介は、和歌山県の山奥に建つ熊野古道なかへち美術館をお送りしていきます. こちらは以前に白浜・田辺特集にて紹介した「田辺市立美術館」の別館にあたる施設で、「金沢21世紀美術館」や「Dior表参道」等を代表作にもつ世界的建築家ユニット・SANAAが最初に手掛けた美術館建築として知られています. それではまいりましょう.
0285:熊野古道なかへち美術館 正面ファサード①

0285:熊野古道なかへち美術館 正面ファサード②

0285:熊野古道なかへち美術館 正面ファサード③

0285:熊野古道なかへち美術館 北側ファサード①

0285:熊野古道なかへち美術館 北側ファサード②

美術館へはJR紀勢本線紀伊田辺駅から龍神・明光バスに乗車して1時間ほど. 熊野本宮大社へ向かう国道311号線沿いに建ちます. バスは1日7往復程度と少ないため、時間に縛られたくない方はレンタカーでの移動が無難です. 田辺市の中心から熊野三山(熊野本宮・速玉・那智大社)へ続く参詣道『中辺路(なかへち)』は、世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として登録される古道で、美術館にもその名が用いられています.

富田川沿いの国道をグングン進み、逢坂トンネルを抜けたあたりから看板が出現. 近露交差点を北方向に曲がってしばらく走ると到着. 熊野街道の深い山々が周囲に広がる中に、地面に根ざすように低い平屋建ての美術館. 透明部はライトグリーンのリブガラス、壁面は黒のカラー鋼板で、山の景観に美しく溶け込みます. 竣工時はガラスに半透明の塩ビフィルムが貼られていたのですが、近年剥がしてしまったそうです. 残念ですが、個人的にはこのクリア感も悪くないです.
0285:熊野古道なかへち美術館 入口

0285:熊野古道なかへち美術館 廊下①

0285:熊野古道なかへち美術館 廊下②

0285:熊野古道なかへち美術館 廊下③

それではいざ館内へ、展示室以外の撮影はOKとのことでした. 展示室は乳白色ポリカーボネートの内壁(写真2枚目)に囲われた広い1室のみで、その周りをリブガラスが連続する廊下や交流スペースで回遊する館内構成. 重なるほどに青くなるガラスと、乳白色の内壁に挟まれた廊下が奥まで続く様子がとても美しい. 美術館は中辺路町の町立美術館として1997年に開館し、2005年に合併して田辺市の公立美術館別館へ改称. 中辺路にゆかりのある画家の日本画・南画を展示しています.
0285:熊野古道なかへち美術館 交流スペース①

0285:熊野古道なかへち美術館 交流スペース②

0285:熊野古道なかへち美術館 交流スペース③

こちらは正面ファサードの反対側に位置する「交流スペース」と称される場所. 内壁が奥に引っ込んで広いスペースとなり、カラフルでお洒落な椅子に腰掛けながら休憩できます. ガラスウォールの奥に広がる中辺路の風景(写真3枚目)も見事. ちなみにこの風景の先に、わずかですが熊野古道のルートが重なります. 周辺環境をガラスで取り込み、内部も展示室以外を自由空間として回遊可能にする. 金沢21世紀に繋がる萌芽的なデザインかなと、個人的に感じました.

2017年最後の建築紹介はここまでとなります. 和歌山県南部の山奥というなかなかアクセスとしては厳しい場所にあり、私個人もいつか行ければな〜という感じだったのですが、今回お知り合いの方が諸事情で美術館に寄ってくれたことで探訪が実現しました. 本当に感謝の思いです. 2018年もそういう建築に探訪ができる1年にしていきたいと思います. それでは良いお年をお過ごしくださいませ!


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