弘前建築マップ - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

弘前建築マップ

           
弘前建築マップ-エントランス


はじめに

 弘前(ひろさき)は青森、八戸に続く青森県内で人口3番目の都市です. 自然や山々に囲まれたこの場所は、江戸時代は弘前藩の城下町として、明治以降は本州最北の軍都、学都として栄えました. 第二次世界大戦の戦災を免れたため、戦前の近代建築や町並みが多く残り、加えて戦後数々のモダニズム建築を手がけた建築家・前川國男氏の建築作品が数多く残ります. 弘前は多様なジャンルの建築が集まっていて、私も非常に興味のある都市のひとつです.

 今回は近代建築の情報発信を中心に幅広くご活躍されている藤沢 うるうさんが2月中旬に公開した「弘前建築マップ」(元ツイートへ)を、実際に皆様が観光しながら、より弘前の歴史や建築文化に触れていただけるように2枚構成のリニューアル版『弘前建築マップ』として私(的野 峻一)がマップ作成のにご協力させていただき、公開いたしました. ぜひ建築マップを手に取って、素晴らしき弘前の建築の世界を体験してください.

弘前建築マップ概観【画像のみ】

※PDFデータのリンクは、この写真の下にあります.
弘前建築マップ_表面
弘前建築マップ_裏面

PDFデータ

印刷可能なPDFデータへは、下の画像をクリックしてください.
弘前建築マップPDFページ


藤沢 うるうさんからのひとこと

 2009年に初めて弘前に訪れたときに旧弘前市立図書館と出会い、近代建築の、そして弘前の魅力に取り憑かれました。弘前と言えば林檎と城と桜が有名ですが、様々な時代の建物もまた弘前の魅力の一つです。

 今回のまとめでは紹介しきれなかった以外にも商店などの小さな建物にも魅力的な建物が大切に使われているほか、弘前れんが倉庫美術館のように古い建物がリノベーションされる事例もあり、「古いもの=いらないもの」ではなく「古いもの=ここにしかないもの」という意識が根付いているのではないかな、と感じています。そんな粋な弘前を感じながら街歩きをしてみてください。

プロフィール
藤沢 うるう
Twitterに生息する地理好き旅行好きな近代建築・近代土木の愛好家。
全国各地から台湾・中国・パラオまでフィールドワークを行い、これまで全国7000件弱の建物・土木を見て回る。2017年5月より、素敵な建物や文化財を紹介するべくTwitterで活動開始。古今東西さまざまな建物や土木を紹介している。
最近は建築ツアーを行ったり本のライティングを行ったり。保存と活用のはざまで、建物が持続可能な形で生き続けられるにはどうすればよいかを考えている。

Twitter:藤沢うるう(https://twitter.com/fujisawa_uruu
HP:藤閏舎(https://sites.google.com/view/tojunsha



私からのひとこと

 弘前はJR東北新幹線の新青森駅からJR奥羽本線の普通電車で約40分、青森空港からバスで約55分ほど. 東京や仙台からの高速バスも運行されており、遠方からのアクセスが良いまちです.

 少し前までの私の弘前のイメージは『前川國男建築のメッカ』で、近代以前の建築や歴史に対する知識は浅いものでした. 今回、建築マップの制作にご協力させていただき、数々の建築の成り立ちや背景を通して、弘前の歴史や文化を深く知る契機となりました. 印刷して持ち運べる大きさのデザインにより割愛した情報もありますが、弘前の建築や歴史を一通り網羅できるものに仕上げました. ぜひ実際にマップを印刷して、弘前の建築巡りにお役立ていただけると嬉しいです.


掲載データ・注意事項など

マップ掲載建築一覧(掲載番号順:建物名のみ)
【江戸以前の建築】
1.弘前城(天守・二の丸辰巳櫓など)
2.旧弘前藩諸士住宅
3.弘前東照宮(本殿)
4.熊野奥照神社(本殿)
5.弘前八幡宮(唐門・本殿)
6.誓願寺(山門)
7.革秀寺(本堂)
8.長勝寺(本堂・御影堂など)
9.円明寺(本堂)
10.最勝院(五重塔)
【近代建築】
11.弘前市消防団西地区団第四分団消防屯所
12.旧藤田家別邸
13.第八師団長官舎(現 スターバックスコーヒー 弘前公園前店)
14.弘前市立図書館
15.東奥義塾外人教師館
16.カトリック弘前教会
17.高谷家別邸(現 翠明荘)
18.日本基督教団弘前教会
19.弘前無尽社屋(現 三上ビル)
20.青森銀行津軽支店(現 弘前市立百石町展示館)
21.第五十九銀行本店(現 青森銀行記念館)
22.三原堂弘前支店(現 一戸時計店)
23.日本聖公会 弘前昇天教会
24.吉井酒造煉瓦倉庫(現 弘前れんが倉庫美術館)
25.青森県尋常中学校(現 弘前高校鏡ヶ丘記念館)
26.弘前偕行社
27.旧制弘前高等学校外国人教師館
28.弘前学院外人宣教師館
【前川國男の建築】
29.弘前市庁舎
30.弘前市民会館
31.弘前市立博物館
32.弘前市緑の相談所
33.弘前中央高校講堂
34.弘前市立病院
35.木村産業研究所(現 弘前こぎん研究所)
36.弘前市斎場


参考サイト
・弘前市「弘前市のあゆみ」
(http://www.city.hirosaki.aomori.jp/gaiyou/rekishi/rekisi-ayumi.html)
・弘前市「趣のある建物」
(http://www.city.hirosaki.aomori.jp/jouhou/keikaku/keikan/omomuki.html)
・弘前公園「弘前公園の歴史」
(https://www.hirosakipark.jp/history.html)
・青森県「県重宝(建造物)」
(https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-bunka/juho_kenzoubutu_index_1.html)
・文化庁「文化遺産オンライン」
(https://bunka.nii.ac.jp)
・前川國男の建物を大切にする会「青森県弘前市の前川國男の建物」
(http://maekawanokai.com/?cat=4)
・刀剣ワールド「弘前藩」
(https://www.touken-world.jp/edo-domain100/hirosaki)

その他『Wikipedia』等を参考に制作しました.
情報をご提供いただいた各機関、有志の皆様に感謝を申し上げます.


電話での情報協力
・弘前市文化財課
(http://www.city.hirosaki.aomori.jp/gaiyou/chosya/gyousei/bunkazai.html)


注意事項
・2022年2月から3月に収集、整理されたデータに基づいています.
・記載された内容は変更されている場合がありますので、事前に公式サイト等で情報をお確かめください.
・まちを歩く際は、通行人や車の往来に注意して事故のないよう、責任を持った行動をお願いします.
・見学や撮影の際は、各施設のルールを遵守し、モラルのある行動をお願いします.
・地図には基盤地図データ(提供:国土地理院)を使用しています.
・道路構成や建物の細かな配置は、実際と異なる場合があります.
・このマップを利用したことによる損害について、一切の責任を負いません.
・写真使用・PDFデータ公開は、藤沢うるうさんより許可をいただいています.
・誤字脱字、情報に誤りがありました場合は、この記事のコメント欄にお願い致します.
関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

非公開コメント

プロフィール

的野 峻一(MATŌ)

Author:的野 峻一(MATŌ)
『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介しています. 詳しい活動内容はエントランスページよりご確認ください.

風景写真・デザイン活動のページ

インフォメーション

【2023.1.22】 「鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ」の「21.山梨県【中部】」を公開しました.

写真使用依頼等はページ上部のメールフォームにて受け付けております.(※返信は遅めです. 当日中の返信はあまりできません. 申し訳ありません.)

紹介する建築スポットの情報は、原則的に投稿日時点の情報になります. 現在と比較して古い情報や記事内の誤字・脱字等がありました場合は、該当記事内の各コメント欄またはメールフォームでご意見いただけますと幸いです.

活動実績(写真提供・寄稿等)

◆『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました. 『近代建築』バックナンバー

◆『トラベル.jp たびねす(現:トラベルjp 旅行ガイド)』のライターとして、以下の建築スポットガイド記事を寄稿しました.【2016〜2018年在籍】

・大阪狭山野池美術館リンク
・松柏美術館リンク
・みんなの森 ぎふメディアコスモスリンク
・秋野不矩美術館リンク
・植村直己冒険館リンク
・南方熊楠記念館リンク
・中谷宇吉郎雪の科学館リンク
・生きた建築ミュージアム【2017】リンク

最新記事

日本全国 JR特急路線図
松江建築マップ
鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ
弘前建築マップ
芦屋市民センター
大阪中之島美術館

スポンサーリンク

Twitter

Facebook

スポンサーリンク