2015/10/31





それでは外観から、ガラスで覆われた南北に伸びる直方体の展示棟が3棟平行に並んでおり、うち西側の2棟は企画展示室として一体的に使用されています. 元々の敷地に鉄工所があった名残として『過去』を象徴する鉄を展示棟山側(北側)のファサードの素材として 、逆に海側(南側)には『未来』を象徴する素材としてガラスのカーテンウォールを使用しています. また南側には巨大な庇があり、神戸の港に向かってグワッと張り出している様は、実際見るとすごいインパクトです.
美術館の竣工は2001年、「住吉の長屋」が1975年に完成したということを考慮すると、安藤建築の歴史の中では比較的後期の作品であるといえます. 美術館建築に限れば「ベネッセハウス ミュージアム(1992年)」や「高梁市成羽美術館(1994年)」「アサヒビール大山崎山荘美術館(1995年)」よりも後に設計された作品です.




中に入れば、そこには打ち放しコンクリートを匠に使用した円形テラスやデッキ、大階段にエレベーターホールと、探せば探すほど面白いスポットが目白押しでした. 個人的には東側の展示棟2棟に挟まれたエリアにある山のデッキに行くまでの段々状のスラブが積層する場所がとても立体迷路感があって好きです.
しかしながらこの迷路のような内部動線は、お年寄りを中心に扱いづらいという意見が多いようで、他に行った人に聞いてみると意見がスッパリ割れてしまうそうです. 確かに足腰の悪い人や車椅子の利用者からすればかなりしんどいな〜と思う部分もあるので、実際に訪問する場合は注意が必要ですね. 神戸の安藤建築にぜひあなたも、ではでは今回はここまで〜
2016.2.18. 写真6枚追加 & 文章入替など
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