


それでは一発目は、みなとみらい線の終点
元町・中華街駅舎です. 横浜が国際都市となる一因となった旧外国人居留地と元町に跨がった位置にあります. 元々は「元町駅」だったみたいでが、中華街関係者から「中華街」という強い名称要望があり、最終的に両地名間に「・」をつけ、副駅名に『山下公園』を加えることで解消したという、そんな逸話があります.
駅の入口は元町側・中華街側をあるのですが、今回は中華街側から撮影してきました. 何重ものエスカレーターを降りると、ヴォールト(かまぼこ天井)が一目でわかる改札に到着します. 駅舎としては通常は明るすぎる『白』を多用した眩しい駅舎になっています. そして天井をよく見ると、陶板になにやら昔の写真が所々にプリントされています.
デザインを担当したのは
「ぐりんぐりん」でも紹介した建築家 伊東豊雄氏です. 伊東氏はこの駅舎で
「横浜の歴史と文化を編集した『本の駅』」というコンセプトを考え、壁面には市電や町並み、子守りの様子など旧居留地時代から現代までの暮らしを反映したモノ・コトをプリントしており、駅自体を横浜の地理・生活を盛り込んだ一冊の書物としてデザインしています.





それでは奥の階段からプラットホームへ降りてみましょう. ホームまでのエスカレーターは真っ黒で、過去(地下)へ繋がるタイムトンネルのような暗暗しさがあります. そして降りた先には、巨大なヴォールト天井の壁面一帯に、旧居留地の町並みが映し出された歴史図版のようなホームが姿を現しました
(トップ絵参照).
このホームに焼き付けられた風景の面白い所は、ホームの中心から見ている写真の風景は、ホームのほぼ中央の位置から、地上にある観光スポットの方角とそれぞれリンクしているということです. つまり『船』のある絵は地上では大桟橋の方向、中華街の町並みの絵であれば中華街の方向を向いているということになります. 実際に中央からホームの端までの図版は遠くて見えませんが、この仕掛けは実に面白いです.

もう一つ気になったのは、案内板や消火栓のデザインです. ホームのシャープさとは裏腹に、上面が丸みを帯びたようなデザインになっており、若干ポップな印象のある可愛らしいデザインになっていました. これも伊東さんデザインですかね? 椅子や設備にもこういう面白いデザインがあるのはいいですね.
さてさて今回はいかがだったでしょうか. 今回私は中華街側出入り口から見ていきましたが、元町側の出入り口は3層吹抜けの大空間に同様のプリントがなされているらしく「旧居留地時代(地下)から現在のくらし(地上)へ」という時間軸ストーリーのある仕掛けがあるということなので、気になる人は一度訪れて旧居留地の歴史に触れてみてはいかがでしょうか. ではでは今回はここまで〜
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