

最初に私がいるのは「クイーンズスクエア横浜
(設計:三菱地所+日建設計)」の1階、『ステーションコア』と呼ばれる巨大アトリウムです. 地下駅舎なのになぜ地上にいるのかというと、その秘密は吹抜けを見下ろした先にあります. 最下層にあるのは実は駅のプラットホーム、なんとこの場所はスクエア内の地上階から地下5階のホームまでがダイレクトに繋がった超大胆な駅舎なのです.
接続するエスカレータは1階までですが、場所次第では3階からも見下ろすことができるため、実に8フロア分の吹抜けが続いていることになります. 地下空間との接続を意識した都市広場は全国にあれど、駅ホームまで続いたここまで大胆な吹抜けは全国探してもここだけでしょう. 駅から降りて上を見上げれば圧巻の吹抜けを見ることができます.



地下3階のコンコースへやってきました. 天井は白と青のストライプで『横浜の海 みなとみらい』がストレートに表現されています. そこからやけに開けた場所があるなと思い行ってみると、白いヴォールト
(かまぼこ天井)に赤・青・黄の色合いの目立つパイプがあるスペースがありました.
「新高島駅舎」と同様に近未来チックな印象を受けます.
「元町・中華街駅舎」にもヴォールトがありますが、こちらは照明がヨコについてます.
早川氏は、クイーンズスクエアと吹抜けで一体化されたこの駅舎を
「交通拠点だけではない、多様な人が行き通う『街路』のような空間」としてとらえ、再開発による町並みが形成されるMM21の街の雰囲気を反映させた『アーバン・ギャラリー』のような駅としてデザインしています. そしてその中心となるのがこのヴォールト空間で、ここは「横浜美術館
(設計:丹下健三)」のアクセスも兼ねており、アートギャラリーとしての意味合いもあるということです.





そして改札を通ってホームへとやってきました. 先程も述べたように、クイーンズスクエアからの吹抜けも面白い部分ですが、それ以外にも早川氏デザインの仕掛けが所々にあります. その一つが、エレベーターの真上にある緑・橙に彩られた通気管
(ダクト)です. 外径が非常に大きく、色合いも相まって非常に強い存在感を放っています.
他にもインフォメーションボードの上からニョキッと飛び出たブルーの通気管などもあり、コンコースと同じく『むき出しの配管(設備)』が強調されています. これは早川氏が海に近いみなとみらいに似合うモチーフとして『船』を意識しているということで、一連の配管はその表れだということです. あと個人的にはベンチのデザインも必見です.
というわけで、みなとみらい線の駅舎シリーズは今回で終了です. いかがでしたでしょうか. それぞれの建築家が、独自の視点でMM21を考え、方や歴史性、方や未来性、方や公共性のある思い思いのあるデザインが施されていて、撮ってる私も飽きることがありませんでした. みなとみらいへ行く際は、そんなデザインにも目を向けながら観光してみると面白さがあっていいかもしれません. それでは今回はここまで〜
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