2016/01/22



JR新木場駅へは東京駅から京葉線で約10分. 駅からすぐなので、車窓からでも会館をみることができます. ロータリーを回り込むと見えてくる西側の外観は、まさにこの会館のキャラクターを決定づけると言っても差し支えないでしょう. 事務室などのスペースもある組合会館ですが、細分化されたパズルピースのようにポコポコとした外観は、集合住宅に近い雰囲気を感じさせます.
設計を手掛けたのは日建設計の山梨知彦氏と、NSDの勝矢武之(かつや たけゆき)氏です. この会館は「ホキ美術館」や「ソニーシティ大崎」と並ぶ山梨氏の代表的な作品の一つです. 私が山梨氏を知るキッカケとなったのがこの会館と「神保町シアタービル」で、事務所ビルには思えないこのファサードに驚愕させられます.





西側のファサードをもう少し細かく見ていきましょう. RC打ち放しで造成された、1階から屋上までを垂直に伸びる灰色の帯の隙間にあるのは、105角のヒノキ材で構成される「テラススペース」です. 耐火建築物となるオフィスビルながらも、テラスに使われている木材は不燃化処理をしない「本物の木」を使用しています. 太陽があまりでなかったというのもありますが、経年変化で少しずつ色褪せ、木材の色合いが薄れて味のある外観になっているように感じました. 当時の新建築の写真と見比べると凄い変わりようです.
実勢に訪れてみるとこれほどの独創的なファサードながらも、存在感をあまり感じさせません. 建物に用いられる色合いは灰・黒・茶という暗色系がメインのためでしょうか、そういう場の馴染み方に感心させられました. 1階の建物周りには、ヒノキでつくられた縁側舞台が外部に張り出しており、一般的なビルとは対称的に非常にオープンです. ファサードの一部分は非常階段があるのですが、階段が黒色のため全く目立たず同化しているのには驚きました.



建物をぐるりと回って、東側のファサードを見ています. 新建築やメディアでは西側がピックされるため、こちらの外観がどうなっているのかは非常に気になっていた部分です. 木材推しだった西側とは一変して、こちらはRC打ち放しの要素の強い感じがしますが、灰色と黒色塗装の帯が垂直に伸びる感じは西側と同様のようです. 最上階はホール空間のため、フロア一面がガラス張りになっていました.
というわけで今回はここまでです. 内観も撮影したかったのですが、生憎当日は日曜のためお休みでした. 調べてみると、どうやら公式サイト(http://www.mokuzai-tonya.jp/mokuzaikaikan/index.html)で見学の受付を行っているらしいので、次訪れた際は内観ツアー込みで色々みたいですね. それでは今回はここまで〜
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