金沢21世紀美術館 - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

金沢21世紀美術館

           
0006:金沢21世紀美術館 メイン

0006 - 金沢21世紀美術館
竣工:2004年
設計:SANAA
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
賞歴:2006年日本建築学会賞
   2006年BCS賞

今回は建築を学んでいる人なら誰でも知っているであろう超メジャーな美術館、金沢21世紀美術館です. 写真を見ての通り、私が美術館を訪問した時の天候は雪!そんな真っ白な雪景色の中、外壁にビッシリと並べされたガラスと、その上からポコポコと突出するホワイトキューブ(展示室)が何ともこの雪の風景にマッチしています.

この金沢21世紀美術館は2004年9月に竣工した現代美術館で、妹島和世(せじま かずよ)氏と西沢立衛(にしざわ りゅうえ)氏の二人組の建築家ユニット SANAAが手掛けた代表的な建築作品でもあります. 2010年にはプリツカー賞も受賞しています. 他の作品として「Dior表参道」「海の駅なおしま」「Junko Fukutake Hall」などがあります. SANAAを知った当初はその意味がわからなかったのですが『Sejima And Nishizawa And Associates』の略称のようです.
0006:金沢21世紀美術館 外観①

0006:金沢21世紀美術館 外観②

コンセプトは『まちに開かれた公園のような美術館』 周囲にいる人が気軽に訪れることのできる、様々な出会いの「場」となるような美術館を目指して建てられました. 外観は直径100m以上ある円柱型ボリュームの外壁は総ガラス張りで、五カ所の異なる方向に開く玄関から入館することでオモテもウラもない、どこから入っても開放的な美術館という当時としては革新的なものです.

館内は有料の展覧会ゾーンと無料の交流ゾーンに分かれていますが、行った感想として美術館内の殆どの場所を歩けたんじゃないかなと思うほど、交流ゾーンが広い印象です. 展示室だけではなく映画上映が可能な『シアタールーム』や周囲がガラス張りの『レクチャーホール』など文化交流が可能な用途も完備されています. 当日が雪ということもあって、外では雪だるまを作ったり、足跡で文字を作ったりと子供達が大はしゃぎしていました.
0006:金沢21世紀美術館 中庭①

0006:金沢21世紀美術館 中庭②

0006:金沢21世紀美術館 真っ白い路地のような通路

0006:金沢21世紀美術館 レクチャーホール

0006:金沢21世紀美術館 西側交流スペース

0006:金沢21世紀美術館 HELLO

内部に入ると壁・床・天井全てがホワイトテイストで覆われた美しい空間が館内にはありました. 建物外周エリアには絨毯や椅子等を設置して訪問者が溜まれるスペースが数カ所に点在し、展示室の間を通り抜ける廊下はさながら路地のよう、所々には美術作品の設置された中庭があったりと、美術館そのものが純白の都市のような様相を感じとりました. 訪問時は眼鏡が曇ってしまう程の暖房が効いてましたが、外が超極寒だったため逆に居心地よかったです.
0006:金沢21世紀美術館 夜の外観①

0006:金沢21世紀美術館 夜の外観②

0006:金沢21世紀美術館 内観(夜)

0006:金沢21世紀美術館 中庭(夜)

また、夜になると昼間の風景とは一変、内部の風景が非常にクリアーな(スケスケな)美術館に変貌します. ショップ・レストラン・展示室の入り口と、中の情景が外に表出しているというのは、これでいいのかねーと疑問にも思いながらも、室内光がポワッと光る幻想的なシーンに見とれながら写真を撮りまくってました. 美術館好きな私にとって最も驚きだったのは、この交流ゾーンが夜の10時まで開館しているということです. 夜遅くまで美術館が楽しめるのは嬉しい限りです.

しかしながらガックリしてしまったのは、中庭に展示されているレアンドロ・エルリッヒの「スイミングプール」が展示停止期間中だったことです. 次回北陸を訪れた際には是非とも中に入りたいですね. 気になったあなたは是非一度ご覧あれ! それでは今回はここまで〜

2016.2.18. 写真8枚追加 & 文章追加


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