2016/03/07
地中美術館

0068 - 地中美術館
竣工:2004年
設計:安藤忠雄
住所:香川県香川郡直島町3449-1
賞歴:2007年BCS賞
皆様どうも. 今日の関西は気温が春を感じさせる暖かい感じで、ようやく冬の寒さともグッバイできるようでホッとしています. ではでは瀬戸芸特集4件目、直島南部の安藤建築としては2件目となる地中美術館のご紹介です. その名の通り美術館のほぼ全てが地中に埋もれた美術館として開館当初から注目され、直島のアート施設の中核を担う施設となっています. では早速いってみましょ〜
アクセスですが「ベネッセハウス」や「李禹煥美術館」のある直島南部のアート施設の中でも最も標高が高い場所にあるため、若干キツめの登りが長〜く続きます. 体力に自信がない人はシャトルバスを使用することをお奨めします. 入館料は常設展示としては国内最高額となるであろう2060円! しかし瀬戸芸のチケットがあれば1000円を支払うことで入場できます.
チケットを購入して離れにある本館を向かおうとした時、一眼レフを首から下げていたのを見ていたスタッフから『この先のゲートを抜けると一切の撮影はご遠慮ください』と言われました. 一切ということで、展示室以外のロビーや廊下・玄関であっても撮影は禁止らしく、これでは内観はおろか建物の入口も撮れません. 加えて建物のほぼ全てが地下に埋没しているため、地面である外観を撮るのもなんかな〜 どうやら撮影できるスポットも一応あるそうです.
ここでは安藤建築も一つの美術品ということでしょうか、とにかく写真制限が厳しい…ということで今回掲載できるのは扉写真の一枚しかありません! なので今回は内部の簡潔な紹介と、各芸術家の展示作品の紹介が手一杯となります. 肝心な内観が見たい方は、下にHPサイトを載せたので、そちらのリンクから公式サイトへと飛ぶことをお奨めします.
HPサイト:http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
「南寺(1999年)」に代表される直島本村の家プロジェクトに続いて安藤氏が手がけたこの美術館では、3人のアーティストの作品が各展示室ごとに展示されています. 『睡蓮』シリーズでおなじみ印象派を代表するフランスの画家クロード・モネ、光を演出するアメリカの現代美術家ジェームズ・タレル、球体・角柱などの幾何学的な彫刻でインスタレーションを製作するアメリカ人彫刻家ウォルター・デ・マリアです.
各展示室へは三角形に吹き抜けられたスペースの階段を下ったり、長いスロープを降りたりしてコンクリートで囲われた洞窟空間をゆっくりを進みながら鑑賞することになります. ここで注目すべきは、その隙間から落ちる太陽の光です. 館内は展示室以外のスペースに人工照明はほとんどなく、廊下やロビーは外部に開けられた隙間(ヴォイド)からの自然採光で照らされます.
この隙間から内部の廊下に投影される光は人影のようなボヤけた輪郭のあるものではなく、輪郭のハッキリとした形の整った光. 地中という真っ暗な空間に四角形や細長い模様となって綺麗に空間に落ち込む光は時間によって形を変え、訪れる者に対して様々な表情を見せながら、コンクリートの廊下に光の芸術を刻みます. この洞窟による「闇」と隙間から差し込む「光」で支配された空間は、光の演出を得意とする安藤氏が目指した光の極致のひとつではないかと思います.
解説はここまでとします. いや〜写真撮れないってのは説明する上でも非常にハードですね. 今度の瀬戸芸ではチケットセンターも含めてもう少し写真を撮っておきたいと思います. もし美術館をゆっくり鑑賞したい方は、昼から夕方になると整理券規制が敷かれるほど混雑するので、朝一番に訪問するのがベストだと思います. ではでは今回はここまで〜
◆ この記事に関連する建築マップ
・ 瀬戸内建築マップ - 岡山・香川の瀬戸内海を中心とした建築マップ
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