【瀬戸内芸術祭'16開催】瀬戸内建築マップ - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録        

【瀬戸内芸術祭'16開催】瀬戸内建築マップ

           
an02:高松港の芸術祭作品


皆様どうも. ついに本日から、瀬戸内海の島々と港を舞台とした国際芸術祭『瀬戸内国際芸術祭2016』の開催となりました. 芸術祭参加作品はなんと200以上! 春・夏・秋の3シーズン分割形式で合計108日間開催され、東の『越後妻有アートトリエンナーレ』と双璧をなす西日本最大級のアートイベントです. 前回の芸術祭来場客数が100万人以上だったことからも、今年も国内外問わず大勢の来場客が予想されます. 【追記】7月18日より夏会期開催です!!

この瀬戸内芸術祭では芸術作品もさることながら、有名建築家が各島さまざまな場所でプロジェクトを行っていることでも有名であり、当ブログでも直前特集を行うなど積極的に応援しています. そこで今回、芸術祭に関連する建築家がで掛けた建築作品をベースにしてGooglemapに整理したマップを作成し、芸術祭を楽しむ皆様の旅の一助となるツールとして公開しようと思います.

しかしながら芸術祭のエリアだけを一点集中してしまうのも勿体無いので、今回はもっと範囲を広げて様々な建築情報を含めたマップとして製作しました. 対象エリアはJRで販売されている『岡山・香川アート往復きっぷ』のフリー区間(参考pdf)の沿線を対象としています. 建築に興味がある人もそうでない人も、潤いのあるアート旅行の助けとなることを願っております.

〈マップ凡例〉
赤:瀬戸内芸術祭に参加する建築作品
青:瀬戸内芸術祭に参加しない建築作品(美術館等のアート施設)
緑:瀬戸内芸術祭に参加しない建築作品(上記以外)

【各エリアちょこっと紹介】

直島
0067:ベネッセハウス 南瓜と奥に点在する各施設
瀬戸内アートブームの火付け役であり、芸術祭の主要島となる直島. 「ベネッセハウス」「地中美術館」を筆頭とした世界的建築家安藤忠雄(あんどう ただお)氏が手がける安藤建築の宝庫としても有名な島です. 今回の芸術祭初参加となる「直島ホール(設計:三分一博志)」「直島パヴィリオン(設計:藤本壮介)」などの建築作品や、昭和後期〜平成にかけて活躍した建築家 石井和紘(いしい かずひろ)氏による『直島建築』を展示した「直島建築展」なども見所です.

[関連建築記事]
海の駅なおしま - SANAA
直島パヴィリオン - 藤本壮介
宮浦ギャラリー六区 - 西沢大良
直島幼児学園 - 石井和紘+難波和彦
直島小学校 - 石井和紘
直島中学校 - 石井和紘
直島町役場 - 石井和紘
直島ホール - 三分一博志
ANDO MUSEUM - 安藤忠雄
家プロジェクト「南寺」 - 安藤忠雄
ベネッセハウス - 安藤忠雄
地中美術館 - 安藤忠雄
李禹煥美術館 - 安藤忠雄

[関連特集記事]
◆直島建築ツアー特集◆ - 「直島小学校」などの文教地区と「直島町役場」「直島ホール」の特別エリアの見学セットとなった建築ツアーの参加レポート


豊島
0065:豊島美術館 美術館前バス停から見えるオーシャンビュー(左には棚田)
夏には緑の美しい棚田の風景が広がる豊島のメインはやはり「豊島美術館」です. 建築家 西沢立衛(にしざわ りゅうえ)氏による真っ白な一枚膜の展示空間は必見です. 前回からの引き続きて登場する「豊島横尾館(設計:永山祐子)」や、島の南にある甲生地区から初の建築施設「豊島八百万ラボ(設計:成瀬友梨+猪熊純)」も登場します.

[関連建築記事]
豊島美術館 - 西沢立衛


犬島
0023:犬島製錬所美術館 カラミ煉瓦群①
近代文化遺産にも指定された銅の精錬所を美術館としてリノベーションした三分一博志(さんぶいち ひろし)氏の代表建築「犬島精錬所美術館」がある、芸術祭としては唯一岡山県に属する島です. 美術館だけではなく建築家 妹島和世(せじま かずよ)氏が手がけた古民家改修型アートプロジェクト「犬島 家プロジェクト」も見所で、集落の風情を楽しみながら建築・アートめぐりができます.

[関連建築記事]
犬島製錬所美術館 - 三分一博志
犬島「家プロジェクト」 - 妹島和世

小豆島
an03:小豆島メイン
オリーブや醤油を特産とした、淡路島に次ぐ瀬戸内海で2番目の面積を誇る小豆島. 建築作品は草壁港から東のエリアに集中しています. 前回からの引き続きである「大きな曲面のある小屋(設計:島田陽)」「Umaki Camp(設計:ドットアーキテクツ)」に加えて、「美井戸神社(設計:ドットアーキテクツ)」「石の島の石(設計:中山英之 ※秋会期から)」等の初参加作品に注目です.


沙弥島
0073:香川県立東山魁夷せとうち美術館 ナカンダ浜から瀬戸大橋を眺める
瀬戸芸で唯一の春開催であり、四国本土と地続きになった"島"である沙弥島. 去年からの参加建築となる海の家「沙弥島・西ノ浜の家(設計:藤山哲朗ほか)」は春のみに関わらず全会期で運営. 芸術祭参加作品ではありませんが「香川県立東山魁夷せとうち美術館(設計:谷口吉生)」「瀬戸大橋記念館(設計:山本忠司)」等の名建築スポットも近接しています.

[関連建築記事]
香川県立東山魁夷せとうち美術館 - 谷口吉生
沙弥島・西ノ浜の家 - 藤山哲朗+冨井建築設計事務所
瀬戸大橋記念館 - 山本忠司

伊吹島
an04;伊吹島メイン
イリコの産地として有名で、瀬戸芸参加島内でも有数のアップダウンの激しい坂道を歩く伊吹島. 秋シーズンのみ開催となる西の諸島の中でも、なにかと建築家の作品が多い島です. 去年からの参加作品となる「トイレの家(設計:石井大五)」に加え、今年はみかんぐみと明治大学生によるコラボ作品「イリコ庵」も出展されるということで、秋シーズンが楽しみです.


※ここからは芸術祭会場から離れた周辺エリアです※

高松市中心部
0021:香川県庁舎 『和敬清寂』
高松建築の代表といえば、建築家 丹下健三(たんげ けんぞう)氏の代表作でもある近代庁舎建築「香川県庁舎」. その他にも日本の近代建築選であるDOCOMOMOに選定された「百十四銀行本店(設計:日建設計)」や、もう一つの丹下建築である「香川県立体育館」などが見所です.

[関連建築記事]
香川県庁舎 - 丹下健三
香川県文化会館 - 大江宏
百十四銀行本店 - 日建設計工務
香川県立体育館 - 丹下健三
香川県立武道館 - 香川県営繕課


坂出・丸亀
an06:丸亀メイン
瀬戸内海沿岸で、高松に次ぐ建築エリアとなるのが坂出と丸亀. 坂出には空中都市とも称される集合住宅「坂出人工土地(設計:大高正人)」が、 丸亀駅前には香川を代表する現代美術館「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(設計:谷口吉生)」があります. 現代美術館は芸術祭参加施設ですのでぜひ一度.

[関連建築記事]
坂出人工土地 - 大高正人
西園寺 - 相田武文
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 - 谷口吉生


岡山市中心部
0138:岡山県庁舎 メイン
新幹線を使うならば必ず通過するJR岡山駅. そこから路面電車で乗った先には岡山城・後楽園を中心に、有名建築家によるアート・公共施設が集積しています. 近代建築の三巨匠であるコルビュジエの弟子である前川國男(まえかわ くにお)氏の「岡山県庁舎」「林原美術館」、「最高裁判所」の設計も手がけた建築家 岡田新一(おかだ しんいち)氏の「岡山県立美術館」「岡山市立オリエント美術館」など、路面電車で気軽に周遊できます.

[関連建築記事]
岡山県庁舎 - 前川國男
岡山県天神山文化プラザ - 前川國男
林原美術館 - 前川國男
岡山県立美術館 - 岡田新一
岡山市立オリエント美術館 - 岡田新一
ルネスホール(旧日本銀行岡山支店) - 長野宇平治


倉敷
0062:倉敷アイビースクエア 倉敷美観地区
美観地区など岡山県屈指の観光地として知られる倉敷にも、アート切符一枚あれば行けちゃいます. 西洋様式の建築を手がけた建築家 薬師寺 主計(やくしじ かずえ)氏の「大原美術館」、浦辺鎮太郎(うらべ しずたろう)氏が手がけた「倉敷アイビースクエア」「倉敷市庁舎」など、倉敷の風土に調和した名建築が数多く残ります.

[関連建築記事]
倉敷アイビースクエア - 浦辺鎮太郎
大原美術館 - 薬師寺主計 / 浦辺鎮太郎
倉敷国際ホテル - 浦辺鎮太郎
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『ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)』は関西の建築好きが日本全国にある建築スポットを実際に探訪し、感想を交えながら紹介しています. 詳しい活動内容はエントランスページよりご確認ください.

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【2023.1.22】 「鉄道でまわる 都道府県別建築スポットマップ」の「21.山梨県【中部】」を公開しました.

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活動実績(写真提供・寄稿等)

◆『近代建築2017年5月号』にて写真提供をさせていただきました. 『近代建築』バックナンバー

◆『トラベル.jp たびねす(現:トラベルjp 旅行ガイド)』のライターとして、以下の建築スポットガイド記事を寄稿しました.【2016〜2018年在籍】

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