




まず初めに今年度の芸術祭の様子から. 四国本土と地続きとはいえど、最寄りのJR坂出駅からは距離があるので、往復600円のシャトルバスを利用する必要があります. 川崎重工のコンビナートや火力発電所の脇を通るため、なんか島に向かうって感じじゃない道を通っていきます. 天気は生憎の曇り空ですが、桜がいい感じに咲いていました. 目的の家へは観光案内所から歩いて3分程度、沙弥島の西海岸へと通づる道のすぐ脇に見えてくる小豆色の建物です.
潮の香り漂う西海岸の沿って建つこの建物は3つの棟からなっており、芸術祭期間中は北端の1棟が食堂、残りの2棟は公衆トイレとして整備されています. 屋根はどれも切妻ながらもその傾斜はバラバラで、3つの棟の屋根を繋ぐと一つの大きな家に見えます. 一つの横長な家ではなく所々で東西にズパッと切ることで、1棟あたりのボリュームを小さくし、その間を路地のように演出させているのは離党集落の雰囲気に基づいたものでしょうか. 個人的には好きです.





設計を主に手がけているのは神戸芸術工科大学の准教授である藤山哲朗
(ふじやま てつろう)氏です. 私もこの芸術祭で初めて知った建築家ですが、越後妻有や瀬戸芸などアートイベントで多くの作品を発表しており、今年はこの家以外にも「赤い窓の回廊」(作品番号:137)を出展しています. 神戸芸術工科大学は沙弥島で積極的なアートプロジェクトを展開している
(学内HPリンク)ので、この家もその縁でできたものかと思われます.
食堂棟の屋上へは付設されている螺旋階段から昇ることができ、西の瀬戸内海や丸亀市街地を眺めることができます. 完全木造だと思っていたのですが、トイレ内部の写真を見ると途中まではRCとなった混構造のようになっています. まるまる1棟をトイレとして使ってるため階高が高く、開口部が大きいので全体的に明るい感じが使ってて良かったように思います.
個人的には蛍光灯がどのように吊られているのか気になってます…海水浴場としても浜は使われるため海の家としても使用されるらしいですが、芸術祭としては今週がラスト. わかめうどんとかフグ弁当とか美味しそうだったので、沙弥島観光の際は是非一食いかがでしょうか. ではでは今回はここまで〜
◆ この記事に関連する建築マップ
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瀬戸内建築マップ - 岡山・香川の瀬戸内海を中心とした建築マップ
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